株式会社メドレックス(4586 Mothers)
停滞期を脱し、再出航へ

2019/07/09

フォローアップ・レポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯

1年3か月ぶりの朗報
2019年5月、メドレックスは、米国で開発中のチザニジン・テープ剤(CPN-101)について、臨床第Ⅰ相反復PK試験(Ph1b)の最初の患者への投与(FPI)が開始されたことを発表した。2018年2月のオキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の臨床第Ⅰ相の完了発表以来、約1年3か月ぶりの朗報である。また、同5月末に資金調達が完了したことにより、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の開発再開に青信号が灯り、同年7月4日、貼付力評価試験も良好な結果が得られたことが公表された。これは、メドレックスにとって、初めての米国上市品となる予定(2020年申請、2021年上市予定)で、安定的に年間10億円前後の収入をもたらすものと期待される。

現在のオピオイド危機の核心は密造フェンタニル
メドレックスにとって、最大の価値をもたらすパイプラインとみなされているのは、オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)である。しかし、米国では、オキシコドンを含むオピオイド製剤の乱用からオピオイド危機が叫ばれるなか、近年、オピオイド剤の処方箋枚数は急速に減少してきている。しかし、これは、規制強化の下、より安価な非合法ヘロインや密造フェンタニルにシフトした影響とも推察され、必ずしも乱用防止策を講じたオピオイド系鎮痛剤の必要性が減退したものとは言えない。また、新規の鎮痛剤開発に対し、当局の検証に時間がかかるケースが多くなっているようだが、早期承認のために、当初の適応症を絞ったとしても、適応拡大後の市場も視野に導出時の契約金額が算出されるものと考えられる。

2019年後半以降期待されるイベント
1年3か月の停滞を経て、2019年後半から、再び開発・導出の進展が浮上する時期に入っていくと期待される。まず、リドカイン・テープ剤(MRX-5LBT)の試験再開、そして、チザニジン・テープ剤(CPN-101)のPh1bの完了とPh2の開始、さらに、オキシコドン・テープ剤(MRX-1OXT)の剤型改良の完了と反復投与試験の開始も、2019年後半から2020年初頭にかけて期待されるイベントである。年内には、メマンチン貼付剤(MRX-7MLL)の臨床試験開始も予定されている。また、年後半には、チザニジン・テープ剤(CPN-101)に関するマイルストーンも入る。そして、オキシコドン・テープ剤の開発進展に伴って導出が実現されれば、メドレックスに対する評価に大きなインパクトがもたらされよう。。

>>続きはこちら(1MB)

TIW/ANALYST NET
証券アナリストに限定せずに、コンサルタントや研究者など幅広い執筆者による企業分析・評価によってアナリストレポートへのアプローチと収入基盤の多様化を目指すプロジェクトです。
本レポートは、株式会社ティー・アイ・ダヴリュが「ANALYST NET」の名称で発行するレポートであり、外部の提携会社及びアナリストを主な執筆者として作成されたものです。
  • 「ANALYST NET」のブランド名で発行されるレポートにおいては、対象となる企業について従来とは違ったアプローチによる紹介や解説を目的としております。株式会社ティー・アイ・ダヴリュは原則、レポートに記載された内容に関してレビューならびに承認を行っておりません。
  • 株式会社ティー・アイ・ダヴリュは、本レポートを発行するための企画提案およびインフラストラクチャーの提供に関して、対象企業より直接的または間接的に対価を得ている場合があります。
  • 執筆者となる外部の提携会社及びアナリストは、本レポートを作成する以外にも、対象会社より直接的または間接的に対価を得ている場合があります。また、執筆者となる外部の提携会社及びアナリストは、対象会社の有価証券に対して何らかの取引を行っている可能性あるいは将来行う可能性があります。
  • 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、有価証券取引及びその他の取引の勧誘を目的とするものではありません。有価証券およびその他の取引に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本レポートの作成に当たり、執筆者は対象企業への取材等を通じて情報提供を受けておりますが、当レポートに記載された仮説や見解は当該企業によるものではなく、執筆者による分析・評価によるものです。
  • 本レポートは、執筆者が信頼できると判断した情報に基づき記載されたものですが、その正確性、完全性または適時性を保証するものではありません。本レポートに記載された見解や予測は、本レポート発行時における執筆者の判断であり、予告無しに変更されることがあります。
  • 本レポートに記載された情報もしくは分析に、投資家が依拠した結果として被る可能性のある直接的、間接的、付随的もしくは特別な損害に対して、株式会社ティー・アイ・ダヴリュならびに執筆者が何ら責任を負うものではありません。
  • 本レポートの著作権は、原則として株式会社ティー・アイ・ダヴリュに帰属します。本レポートにおいて提供される情報に関して、株式会社ティー・アイ・ダヴリュの承諾を得ずに、当該情報の複製、販売、表示、配布、公表、修正、頒布または営利目的での利用を行うことは法律で禁じられております。
  • 「ANALYST NET」は株式会社ティー・アイ・ダヴリュの登録商標です。