割安ゾーンに入った日本の小型株市場 株価調整続くも、利益成長の持続に期待

割安ゾーンに入った日本の小型株市場 株価調整続くも、利益成長の持続に期待

【ポイント1】10月は調整色強まる
東証小型株指数は2桁の下落

■2018年10月の日本株式市場は大幅に調整しました。東証株価指数(TOPIX)は前月末比▲9.4%、大型株で構成されるTOPIX500指数は同▲9.3%と下落しました。一方、中小型株では、東証小型株指数(*)は同▲10.6%、東証2部株価指数は同▲4.5%、東証マザーズ指数は同▲15.8%、日経ジャスダック平均は同▲7.0%となり、中小型株指数の下落が目立ちました。

(*)東証小型株指数:TOPIX算出の対象銘柄からTOPIX500の構成銘柄を差し引いた銘柄で計算された指数。

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【ポイント2】米国を中心に成長株が調整
グロース色の強い小型株が軟調に

■10月は、米中貿易摩擦懸念の拡大と米国長期金利の上昇から、米国株式市場が下落し、世界的な株価調整へとつながりました。月半ば以降は、中国経済の減速が警戒され、日本国内企業の業績悪化懸念が広がったことで下げが加速しました。

■米国株式市場で高い利益成長が支えのハイテク株が下落したことで、高成長銘柄が多く含まれる日本の小型株市場も軟調となりました。

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【今後の展開】小型株は割安ゾーン入り

■小型株指数は、2015年の中国ショック後に大幅な調整局面を経験しました。当時は、1株当たり予想利益の低下が示すように、業績悪化が株価の下落要因となりました。中小型株の業績は2016年後半以降堅調に推移しており、2018年も堅調です。

■株価と予想利益の関係を見る予想株価収益率は、 10月末で13.5倍と、2014年以降の平均値である14.3倍を下回りました。10月26日から30日には12倍台まで低下するなど、2014年以降のブレ幅を考慮した平均-1標準偏差である13.3倍をも下回りました。業績が好調な中小型株は割安ゾーンに入ったと言えそうで、下値を固める展開が期待されます。

(2018年11月 1日)

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