豪州の金融政策は引き続き据え置き(2018年5月)物価の上昇速度は緩慢、政策金利は当面、現状維持へ
豪州の金融政策は引き続き据え置き(2018年5月)
【ポイント1】金融政策は現状維持
予想通り1.50%で据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は、5月1日に開催した金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を1.50%に据え置く決定をしました。ブルームバーグ社の集計によれば、対象27名のエコノミスト全員が据え置きを予想していました。
【ポイント2】当面、金利は据え置きへ
物価、失業率の改善ペースは緩慢
■RBAは、2018年の豪州経済について、引き続き成長率の加速を見込んでいます。非資源企業の設備投資やインフラ(社会資本)投資の拡大、輸出の持ち直し等が予想されるためです。
■一方、家計消費については、所得の緩慢な伸び、高水準の債務等から、不確実性が高いとの評価を据え置きました。
■消費者物価上昇率は、RBAの目標値の下限である+2%を僅かながら下回った状態が続いていますが、「景気の拡大に伴い、2018年には+2%台に到達する」との見方を継続しました。
■以上のような評価を踏まえ、「失業率と物価上昇率は今後も改善を続けるものの、そのペースは緩慢」との見通しを据え置きました。この点を踏まえると、金融政策は当面、現状維持が予想されます。
【今後の展開】豪ドルは底堅い動きとなろう
■足元の豪ドルの対円相場は、持ち直しつつあります。北朝鮮等の地政学リスクが後退したこと、軟調だった鉄鉱石価格が底入れしつつあることなどによるものです。
■豪州の堅調な景気拡大、日本と豪州の金融政策の方向性の違い(日銀は金融緩和姿勢維持、RBAは据え置きの見通し)等から判断すると、豪ドルは今後も底堅い動きが見込まれます。
(2018年 5月 1日)
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