落ち着きを見せる『中国の住宅価格』
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中国国家統計局が9月18日に発表した「主要70都市新築住宅価格動向」によると、『中国の住宅価格』は全体では大都市を中心に落ち着きが見られます。住宅購入規制のない地方の小都市では価格がなお上昇しており、大都市と小都市の間で引き続き2極化の動きがあるものの、中国政府による住宅市場のバブル抑制策の効果が現れてきたようです。 |
【ポイント1】8月は価格上昇都市が46に減少
価格下落都市は18に増加
■17年8月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、前月比で価格が上昇したのは46都市と、7月の56都市から10減少しました。価格が値上がりした都市数が減少するのは2カ月連続です。
■一方、価格が下落したのは7月から9増えて、18都市でした。横ばいは1増えて6都市でした。
【ポイント2】価格上昇率が更に鈍化
大都市と地方小都市で2極化
■当社の分析によれば、主要70都市の新築住宅価格を1人当たり所得で加重平均すると、全体で8月は前月比+0.13%と、7月の同+0.37%から伸び率が鈍化しました。
■都市別にみると、国家統計局が指定する15の大都市では、住宅価格が前月比で上昇した都市はありませんでした。広州、深セン、成都など12都市が前月比で下落しました。
■一方、地方の小都市ではなお上昇するところが多くあるものの、住宅価格の前年同月比の上昇ペースは鈍化しました。
【今後の展開】住宅バブル抑制策の効果で価格は落ち着く方向へ
■8月の同統計からは、住宅価格が上昇した都市が2カ月連続で減少したほか、価格上昇率が全体として落ち着く傾向も引き続き見られました。大都市での住宅販売抑制策や人民銀行による引き締め気味の金融政策といった住宅市場のバブル抑制策の効果が現れてきたと考えられます。
■中国政府は住宅市場のバブル抑制に注力する一方で、景気を悪化させる過度な価格調整には慎重であると見られます。難しい経済運営が求められますが、これまでのところ中国政府の住宅価格政策はうまく機能している模様です。
(2017年 9月 20日)
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