最近の指標から見る中国経済(2015年10月)~構造転換を推進し、安定成長を目指す~
最近の指標から見る中国経済(2015年10月)~構造転換を推進し、安定成長を目指す~
【ポイント1】製造業の下押し圧力強まる
小売と住宅が景気下支え
■1-9月期のGDP成長率は前年同期比+6.9%と今年の目標である+7.0%を下回りました。投資の減速や輸出の減少が主な要因です。製造業PMIは50割れが続き、製造業の下押し圧力が強まっています。
■一方、小売売上高の伸びは、緩やかな上昇傾向にあります。また、住宅市場は底入れがうかがわれ、小売や住宅などのサービス産業が景気を下支えしています。
【ポイント2】景気の下押し圧力に対処
追加緩和や公共投資を強化へ
■景気下押し圧力の高まりに対処し、政府・中央銀行は足元で景気対策を強化しています。利下げや預金準備率の引き下げにより企業の資金コストを軽減し、公共投資や規制緩和の拡大などの対策を講じています。
【今後の展開】構造転換を推進し、経済の「質」を改善へ
■政府は、過剰生産能力が残る鉄鋼業などを抑制し、付加価値の高い製品の生産を後押ししています。「中国製造2025」や「自由貿易試験区」の推進に加えて、周辺国との経済外交を通じて輸出の拡大などを目指す「一帯一路」戦略を引き続き推進し、経済の「質」の改善を目指すと見られます。
■短期的には、追加金融緩和や公共投資の一層の強化による景気の下押し圧力の緩和で、今年の成長率目標達成を引き続き狙うと見られます。
(2015年10月21日)
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