日本の主要企業の決算見通し~円安、原油安が収益拡大を後押し~

日本の主要企業の決算見通し~ 円安、原油安が収益拡大を後押し~

【ポイント1】4-6月期は大幅増益

円安、原油安、消費回復が貢献

■TOPIX(東証株価指数)ベースの2015年4-6月期の1株当たり純利益は、前年同期比+40.3%と大幅に増加する見込みです。円安による輸出採算の改善、原油価格の下落による原燃料コストの低下、国内消費の回復などが利益増加に大きく貢献しました。また、外国人旅行者によるインバウンド消費の拡大も消費回復に貢献しました。

【ポイント2】輸出関連、内需関連ともに堅調

現状の米ドル円レートが続けば上方修正へ

■4-6月期を業種別に見ると、幅広い業種が増益となる見込みです。特に電気・ガス業、繊維製品、パルプ・紙、化学などが原油安の恩恵を受けたほか、円安で輸送用機器(自動車など)、電気機器などの輸出関連企業の利益が大きく増加しました。また、食料品や医薬品、小売業、陸運業などの内需関連企業も好調に推移しました。
■2015年通年では、全体で20%増益となる見込みです。4-6月期の業績が全体として上振れたものの、多くの企業が2015年度の計画を据え置いています。ギリシャ情勢や中国の景気減速懸念などの不透明要因を背景に、慎重な計画となっており、状況が改善すれば上方修正が期待されます。また、企業が想定する米ドル円レートは115円程度が中心と見られ、現在の為替水準が続けば、為替の面からも収益の上方修正が見込まれます。

 20150814jp

【今後の展開】企業収益の拡大に沿って株価は底堅い展開へ

■懸念される中国の景気は、当局が金融、財政、通貨の政策を総動員して景気対策を行っていることから、大幅な下振れの可能性は限定的と見られます。また、ギリシャ情勢も落ち着きを見せています。
■原油価格や為替が現状の水準を維持すれば、7-9月期以降も増益を後押しすると見られます。株価は企業収益の拡大に沿った展開が期待されます。

 (2015年8月14日) 

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