日銀政策と株式市場の動向 ~金融政策は現状維持、運営を見直し透明性の向上へ~
日銀政策と株式市場の動向 ~ 金融政策は現状維持、運営を見直し透明性の向上へ~
【ポイント1】 「量的・質的金融緩和」を維持
運営方法は2016年1月から改定
■日銀は、18日~19日の金融政策決定会合で、現行の「量的・質的金融緩和」の維持を決定しました。
■景気と物価の判断については、それぞれ前回の「緩やかな回復を続けている」、「予想物価上昇率は、やや長い目で見れば、全体として上昇している」が維持されました。
■今回、金融政策決定会合の運営が見直されました。「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の公表が従来の年2回から4回に増え、内容が充実されます。決定会合の開催頻度は年8回に減るものの、政策運営の透明性が向上し、情報発信が拡充しそうです。
【ポイント2】 株価は2万台を回復
為替は小幅に円安方向へ
■19日の日経平均株価は、前日の欧米の株価の反発を受け2万円台を回復して始まり、終値は前日比+183.42円の20,174.24円となりました。日銀の決定を受けての反応は限定的でした。
■米ドル円レートは、発表後小幅に円安方向に動き、日本時間の15時時点では123円.14円でした。
【今後の展開】 金融政策は当面現状維持、株価は企業収益拡大に沿った展開へ
■黒田日銀総裁は記者会見で、物価が2%程度に達するのは2016年度前半頃になると発言し、従来の見通しを踏襲しました。ただし、見通し達成は厳しいとの見方もあり、見直しが比較的近い将来に行われることも予想されます。
■好調な企業収益を背景に、株価は5月中旬以降概ね2万円台を維持し、堅調に推移しています。中国の景気減速懸念やギリシャ情勢の不安などの不透明要因から上値を押さえられる場面も想定されますが、基調としては、企業収益の拡大に沿った展開が期待されます。
(2015年6月19日)
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