次世代を見据えて

2026/04/13 <>

・先を見通すのは容易でない。株式市場の先行き、地政学リスクに係る国際情報の行方など、過ぎてみれば起こったことはさもありなんと思ってしまうが、心配しながらも起きなかったことはすぐに忘れてしまう。

・高市トレードは日本を活性化させている。右からも左からも、外からも内からも、高齢者からも若者からも議論百出である。政策はとにかく進んでいる。

・米中対立も、イラン戦争や日中対立の激化で、次にステージに進みそうである。地域戦争、地域紛争は和平に向かうのか。新たなる対立が次の戦争を惹起するのか。

・イスラエルと米国によるイラン攻撃は、核保有は絶対に許さないという大義に基づく。中国、ロシア、北朝鮮への牽制ともなろう。力による先制的防衛は、最新兵器を使っており、昔とは精度が全く異なる。ピンポイントで攻めて、リーダーと兵器を破壊する。

・ブラックスワンはどこにいるか。平和であれば、経済のファンダメンタルズは概ね想定できる。エコノミストの予測の範囲内となることが多い。一方で、想定外の自然災害や人的災害はとんでもないショックをもたらす。逆に、バブルが発生している時は勢いが止まらず、それが崩壊した時には回復に時間を要する。

・米中対立をどうみるか。米国は米国ファーストで中国をたたく。しかし、自国経済に不利になることが顕著になる前に一定の妥協を図り、手を打とうとする。貿易不均衡の是正やレアアースへの戦略的対応もその一環であろう。長期的にはレアアースの脱中国は進むことになろう。

・アジアの安全保障について、これまでと同じように米国に頼るわけにはいかない。米国の覇権力は低下しており、トランプの米国ファーストは米国以外の同盟国へ、これまで以上に安全保障上の負担を求めてくる。同等の負担をせよという姿勢である。

・理念としての戦争放棄は望ましいし、唯一の被爆国として被害を忘れることはない。原爆を落としたのは、米国である。これは絶対に許すことができない。二度と原爆を使わせてはならない。しかし、今やこれが守られるかどうかは怪しい。原爆を持ちたい国は多く、保有核を増強している国もある。

・日本は経済安全保障を強化していく。専守防衛ではあるが、集団的自衛権も含めて、防衛力を強化している。抑止力を高めるということは、互いに一線を越えないということを認識するための方策である。

・弱みをみせると、既成事実を積み上げて、領海、領空、そして領土を侵犯してくる。小競り合いの中で、やったらやり返すと、それを口実に本格介入してくるかもしれない。その時にどうするか。防衛のための戦いとして一戦を交えるのか。一歩引いて、我慢するのか。たぶん、我慢して引くことになろう。それが、不本意な次の一歩を誘引することになろう。

・どこかで、堪忍袋の緒が切れるかもしれない。しかし、こんなことで戦争に入りたくない。負け戦になりかねない。こちらの犠牲も大きくなりそうである。とすれば、攻められない体制を早めに作って、牽制しておく方が望ましい作戦であろう。やはり抑止力を拡大するための防衛力の強化は必須である。拡大抑止に核抑止を含めるかどうかが論点となろう。

・トランプ大統領も危うい。ワンマン大統領として民主主義を踏み越えている。すべて自己都合である。正義、公正、インフレ、格差という点で支持率が下がったら、米国への信頼は一層揺らごう。

・戦争はなくならない。それでも、人類の英知はこれまで一定の秩序を回復し、新しい世界を構築してきた。悲観的に諦めるのではなく、新しい秩序作りに加わり、貢献していくアクティブな行動をとっていきたい。

・個人としても、想定外を想定して、人生のポートフォリオを構築していく必要がある。人生のポートフォリオとは、いかにもオーバーではないか。確かにそうではあるが、将来の不確実性には、リスク分散を図っておく必要がある。

・株式投資なら、資産分散、地域分散、時間分散などが基本であるが、人生のポートフォリオにおいても、将来分散、テールリスク分散が重要となろう。

・将来分散は自分が生きている時代だけではない、子供世代、将来世代のことまで考えておくことが必須である。テールリスク分散とは、確率的には起こりそうでないことでも、いざ起きてみると、とんでもないことになるという事象も想定しておくことが求められる。

・なかなか「備えあれば憂いなし」とはいかない。しかし、憂うるだけではなく、具体的なアクションもイメージしておきたい。

・高市政権も支持率が高いうちはよいが、経済政策が十分でないと影響が出てこよう。対中摩擦、対米摩擦のコストがさらに目立ってくると、そこへの批判も出てこよう。

・政策運営は、1)国力を上げるために投資を促進し、そのための減税支援を行う、2)賃上げを推進し、人的資本投資としてそれを支えるサポートをする、3)共存のための平和外交を進めて、世界の安定に貢献するように防衛力を強化する。

・4)リスキリングを進め、働きたい人にはもっと働けるように制度を変えていく、5)成長投資のための産業政策を進める、6)資産運用立国づくりに向けて、金融サービスを成長産業にもっていくことなどに力が入ろう。

・これらのほとんどが、日本の株式市場を押し上げる要因となろう。今年のマーケットは、日経平均で6.0万円~4.7万円と、上値は業績要因で、下値は地政学的リスクで決まることになろう。

・中期的にみれば、5年後には日経平均で8~10万円を目指すことになろう。こんな見方が特別でなくなってきた。いつの世も、伸びる企業と伸びない企業に、差は歴然と出てくる。そのカギはAIを活用して、自社の本来の強みを将来性に結び付けられる企業である。そういう企業への中長期投資を実行したい。

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