ベーシック(519A)顧客接点を持つフロントオフィス領域のDXやAXを推進
ワークフローを最適化・自動化することで顧客企業の生産性を向上
顧客接点を持つフロントオフィス領域のDXやAXを推進
業種:情報・通信業
アナリスト:髙木伸行
◆ 企業のフロントオフィス領域のワークフローを効率化・自動化
ベーシック(以下、同社)は「事業の成長を人の数で解決しない」をパーパスに掲げ、企業内のすべての業務プロセス(以下、ワークフロー)がシームレスにつながり、透明性とスピードが担保されている状態へと再設計する「ワークフローカンパニー」として、企業の問題解決力と生産性の向上をサポートしている。フロントオフィス領域注1を起点としたDX注2およびAX注3を推進する事業を展開している。
フロントオフィス領域は部門間連携や情報共有が難しく、属人化しやすいといった非効率な側面を持つ。この非効率の解消を重要なテーマと捉えWebサイトを簡単作成し運用・管理を効率化するferret One(フェレット・ワン)と入力フォームを簡単作成し対応・管理を効率化するformrun(フォームラン)のふたつのプロダクトを提供している。
25/12期の初期導入費用を含む各プロダクトの売上高は、ferret Oneが13.9億円、formrunが8.8億円となり、各々、売上高の61%、39%を占めた。なお、formrunについては、使い勝手が良いというプロダクトの性格上、初期導入に関する収入は小さい。同社は25/12期に営業黒字化したが、営業利益(2.7億円)の構成比はferret Oneが48%(1.3億円)、formrunが52%(1.4億円)であった。
同社の収益形態は、月額課金による「サブスクリプション型」と、導入支援や運用コンサルティングといったプロフェッショナルサービスを中心とした「ソリューション型」に分類され、それぞれの売上高が開示されている(図表1)。
サブスクリプション型は、25/12期の売上高の76.7%を占めており、ferret Oneやformrunのソフトウェアをクラウドサービスとして継続的に提供することにより得ているストック型の収益である。
ソリューション型は、主にferret Oneの初期導入支援、運用コンサルティングといったプロフェッショナルサービスと呼ばれる単発でのサービス提供によるもので、スポット型の収益となる。
◆ ferret One
同社の主要プロダクトであるferret Oneは、企業のBtoBマーケティング活動における集客・リード獲得・顧客育成・営業連携といった一連の業務を一つの環境で統合運用が可能なマーケティングワークフローツールである。ベンチャー企業から大企業の事業部単位まで幅広く利用されており、25年末時点で、500社以上の顧客に利用されている。
Webサイト制作・分析、メール配信、フォーム作成、顧客管理、AIによるコンテンツ生成等のマーケティング施策の実行に必要な要素を一つのプラットフォーム上で統合的に運用でき、従来、複数ツールや外注に分断されていたマーケティング施策をひとつの流れとして管理することを可能にしている。
BtoBマーケティングに必要な機能をオールインワンで備え、ノーコードで編集可能なCMS注4と、誰でも使いこなせるMA注5機能、Salesforceやkintoneといった外部ツールとの連携機能を備えている。
また、初期導入支援や伴走支援といったBtoBマーケティングに関するプロフェッショナルサービス(ferret SOL)を組み合わせることで、ツール活用から成果創出までを一気通貫で支援し、知識や人手が不足する企業においても、マーケティングを自走化できる環境を実現している。
◆ formrun
問い合わせ、資料請求、応募等の入力を起点として、通知・担当アサイン・対応・完了記録までを一気通貫で管理できる仕組みを提供するツールである。25年末時点で5,000社以上の顧客と累計50万超のユーザーに利用されている。
formrunにより、人手を介さずに迅速かつ正確な対応が可能となり、従来分断されていたフォーム入力後の処理を統合的なワークフローとして再構築し、対応の抜け漏れや遅延を防ぎ、顧客対応・採用管理等、業務を効率化することが可能となる。
◆ プロフェッショナルサービス
同社はferret One、formrunといったプロダクトだけではなく、顧客企業がフロントオフィス領域の効率化を確実に実現できるよう、ferret SOL等のプロフェッショナルサービスも提供している。同社は、業務プロセスを抜本的に変革するためには、課題定義から設計・運用定着に至るまでの体系的な支援が不可欠と認識しており、業務課題や組織体制を分析し、最適な運用設計を支援することで、短期間での立ち上げを支援している。
導入後も、専任担当が伴走しながらツール活用を定着させ、マーケティング・営業・カスタマーサクセス等といった部門を横断した活用を支援している。さらに、戦略設計・コンテンツ企画・運用改善等を支援し、課題発見から施策実行までを導入企業が自分で再現・運用できるようにする成果直結型のコンサルティングサービスを提供している。
プロフェッショナルサービスの収益はソリューション型収益として認識されている。