コロンビア・ワークス(146A)24年12月期は開発物件数の増加により増収増益へ

2024/04/01

投資家向け不動産の開発業者で付加サービスによる差別化を図った物件に特徴
24年12月期は開発物件数の増加により増収増益へ

業種:不動産業
アナリスト:村木雄一

◆ 投資家向け不動産の開発業者
コロンビア・ワークス(以下、同社)は、投資家向け不動産の開発業者である。レジデンス(賃貸マンション)を中心に、オフィス、ホテル、商業施設等を手掛けており、同社が竣工後の管理までを一貫して手掛ける物件については、レジデンスでは「LUMIEC(ルミーク)」、「Blancé(ブランセ)」、オフィスでは「BIASTA(ビアスタ)」のブランド名を冠している。

同社は、13年に明和地所(8869東証スタンダード)やオリックス(8591東証プライム)の完全子会社であるオリックス不動産において不動産開発に携わってきた経験を持つ現社長の中内準氏によって設立された。

同社の事業は不動産開発事業の単一セグメントだが、売上高はサービス別に3つに区分されている(図表1)。売上構成比は不動産の販売を行う不動産開発サービスが98.8%と大半を占め、付随する形でそれ以外のサービスが提供されている。

◆ 不動産開発サービス
同社の中核事業で、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を中心とする大都市圏において、主に自ら用地を仕入れて新たなレジデンス、オフィス、ホテル、医療施設等を開発するものである。

1棟売りで、分譲販売は行っていない。比較的大規模な物件については同社が自ら不動産投資家やファンドへ販売している。数億円程度の小規模物件については仲介業者を通して個人投資家あるいはその資産管理会社、一般事業法人向けに販売している。

◆ 不動産賃貸管理サービス
連結子会社のコロンビア・コミュニティが、家賃集金、各種入居者対応、設備保守などに加え、オフィスや商業施設等においてはテナントの誘致など、レジデンスにおいては賃貸条件の提案や共用部の有効活用の提案などを行なっている。主に不動産開発サービスで開発した物件にサービスを提供して、オーナーから賃料に対する一定のフィーを受け取っている。

◆ ホテル運営サービス
同社が開発したホテルの運営を行っている。現在、運営しているのは京都(BnA Alter Museum)、東京(BnA STUDIO Akihabara)、福岡(mizuka Daimyo 4)の3物件である。京都と東京のホテルについては、「作品の中に泊まる」をコンセプトに現代アートを前面に押し出し、宿泊客のほとんどを外国人が占めるという独特のものである。宿泊客から受け取る宿泊料が売上となる。連結子会社のコロンビアホテル&リゾーツが運営している。

◆ アセットマネジメントサービス(新規事業)
このほかに、今後、新規事業としてアセットマネジメントサービスを提供する予定である。これは、投資家の委託を受けて資産形成や資産の運用・保全を行うことによって手数料収入を得るものである。23年4月に設立したコロンビア・アセットマネジメントが同サービスを行う予定で、現時点ではサービス開始に必要な各種登録の準備を行っている。

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資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。