トヨクモ(4058) 既存のクラウドサービスの拡大に加え、エンタープライズ向けサービスも志向
安否確認サービスやkintone連携サービス等の法人向けクラウドサービスを展開
既存のクラウドサービスの拡大に加え、エンタープライズ向けサービスも志向
業種: 情報・通信業
アナリスト:藤野敬太
◆ 会社概要
・トヨクモ(以下、同社)は、「ITの大衆化」をテーマに、シンプルで低価格な法人向けクラウドサービスを提供している。安否確認サービスと、サイボウズの「kintone」ユーザー向けのkintone連携サービスが主力である。
◆ 22年12月期決算
・22/12期決算は、売上高1,937百万円(前期比32.5%増)、営業利益639百万円(同52.8%増)となった。22/12期より新収益認識基準を適用しており、前期比は新収益認識基準を適用したと仮定した21/12期業績との比較である。特にkintone連携サービスの有償契約数の増加が貢献し、期初計画を上回る増収増益となった。
◆ 23年12月期業績予想
・23/12期業績について、同社は、売上高2,330百万円(前期比20.3%増)、営業利益720百万円(同12.6%増)と計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、23/12期について、売上高2,396百万円(前期比23.7%増)、営業利益788百万円(同23.3%増)という会社計画をやや上回る水準を予想している。有償契約数が増加して増収を牽引するとともに、増収効果によって利益率が上昇すると想定した。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、24/12期は前期比20.6%増収、25/12期は同17.9%増収となり、売上高営業利益率は25/12期に33.8%まで上昇すると予想した。
・同社が強く意識している顧客生涯価値に影響する有償契約数、契約当たり単価、解約率の3つの重要項目の動向に当センターは引き続き注目している。また、新たに、エンタープライズ向けにソリューションパックの提供を手掛ける方針を打ち出している。これが具体的なものになるには時間を要するが、中長期的に新たな事業となる可能性があるため、その動向にも注目したい。