アイケイ 過去最高の売上高を更新
 
![]() 飯田 裕 会長兼CEO  | 
 株式会社アイケイ(2722)  | 
 
![]()  | 
企業情報
| 
 市場  | 
 東証2部・名証2部  | 
| 
 業種  | 
 小売業(商業)  | 
| 
 代表取締役会長兼CEO  | 
 飯田 裕  | 
| 
 所在地  | 
 愛知県名古屋市中村区名駅3-26-8 KDX名古屋駅前ビル  | 
| 
 決算月  | 
 5月末日  | 
| 
 HP  | 
株式情報
| 
 株価  | 
 発行済株式数  | 
 時価総額  | 
 ROE(実)  | 
 売買単位  | 
|
| 
 858円  | 
 7,808,000株  | 
 6,699百万円  | 
 14.0%  | 
 100株  | 
|
| 
 DPS(予)  | 
 配当利回り(予)  | 
 EPS(予)  | 
 PER(予)  | 
 BPS(実)  | 
 PBR(実)  | 
| 
 12.00円  | 
 1.4%  | 
 51.69円  | 
 16.6倍  | 
 385.34円  | 
 2.2倍  | 
*株価は 7/20終値。各数値は20年5月期決算短信より。
業績推移
| 
 決算期  | 
 売上高  | 
 営業利益  | 
 経常利益  | 
 当期純利益  | 
 EPS  | 
 DPS  | 
| 
 2017年5月(実)  | 
 15,273  | 
 557  | 
 554  | 
 425  | 
 57.13  | 
 7.50  | 
| 
 2018年5月(実)  | 
 18,337  | 
 898  | 
 899  | 
 641  | 
 86.07  | 
 10.00  | 
| 
 2019年5月(実)  | 
 17,614  | 
 431  | 
 437  | 
 238  | 
 31.85  | 
 12.00  | 
| 
 2020年5月(実)  | 
 18,483  | 
 590  | 
 623  | 
 384  | 
 52.19  | 
 12.00  | 
| 
 2021年5月(予)  | 
 19,268  | 
 659  | 
 661  | 
 375  | 
 51.69  | 
 12.00  | 
*単位:百万円、円。予想は会社側予想。2017年12月1日付、2018年4月1日付でそれぞれ1:2の株式分割を実施。EPS、DPSは遡及して調整。
株式会社アイケイの2020年5月期決算概要などをお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2020年5月期決算概要
3.2021年5月期業績予想
4.今後の戦略
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 20年5月期の売上高は前期比4.9%増の184億83百万円。過去最高を更新した。新型コロナウイルスの影響により店舗事業は大きく落ち込んだもののTVショッピングが牽引したB to C事業が2桁増収。B to B to C 事業、その他も増収。B to C事業の伸長により粗利率が上昇し粗利額も同11.6%増加。広告宣伝費中心に販管費も増加したが、吸収し営業利益以下、大幅増益となった。売上、営業利益、経常利益は期初予想も上回った。
 - 21年5月期は増収増益。売上高は前期比4.2%増の192億68百万円、営業利益は同11.6%増の6億59百万円の予想。売上は過去最高更新を見込む。今期はB to B to C事業が牽引。売上高は連続して過去最高を更新する。配当は前期と変わらず12.00円/株の予定。予想配当性向は23.2%。
 - 全国的な緊急事態宣言が発令された同社の第4四半期(3‐5月)の売上高は前年同期を10%上回り、営業利益は25%の増益だった。また同期間のTVショッピングのMRも2.7と、2期前の2.2、前期の2.0を大きく上回った。いわゆる「巣ごもり消費」需要を確実に取り込んだわけだが、ヒット商品を自ら生み出すことのできる「マーケティングメーカー」としての能力と、TVショッピングにより商品を的確に訴求できるマーケティング能力の相乗効果の賜物と言えるだろう。
 - 世界で唯一の『マーケティングメーカー』というビジネスモデルを極めることを目指す同社だが、自社製品比率が60%であることからその完成度を60%と認識している。70%、80%、90%へと上昇するスピードを注目していきたい。
 
1.会社概要
独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行うマーケティングメーカー。
雑貨類・食品類・化粧品類といった商品をTVショッピング、EC、店舗を通じて直接消費者に販売する「B to C事業」、生協、通販会社、店舗、海外など多様なルートを通じて販売する「B to B to C事業」、システムの開発・販売などITソリューションを提供する「その他」の3事業を展開。
経営理念に「ファンつくり」を掲げ、全てのステークホルダーにファンになってもらえるグループ経営を目指している。

【1-1 沿革】
高校・大学時代を自由な校風の中で過ごし、元来起業家精神が旺盛であった飯田 裕氏(現代表取締役会長兼CEO)は、損害保険会社勤務を経て1982年5月にアイケイ商事有限会社を設立。様々な商材の販売を手掛けていた中で、愛知県生活協同組合連合会の購買担当者の知遇を得て1983年4月に同生協の口座を開設し、職域生協との取引を開始した。
最初の商材である充電式クリーナーのチラシ販売が大ヒットとなったことが契機となり、全国他生協への横展開が進むとともに、取扱商品も増加し、業容は急速に拡大。2001年12月にJASDAQ市場に上場した。
上場に伴う認知度及び信用力の向上もあり百貨店通販や通販会社への商品供給も本格的に始まり、販売先も着実に拡大し、2007年5月期まで25期連続増収を達成した。
しかしリーマンショックで成長にブレーキがかかったのをきっかけに、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」への転換を図るとともに、それまでの「B to B to C」に加え直接消費者に商品を提供する「B to C」チャネルも構築し再び成長軌道に回帰した。
2014年9月にはTVショッピング大手である株式会社プライムダイレクトを100%子会社にするなど、M&Aにも積極的に取り組んでいる。
【1-2 経営理念】
| ファンつくり | 21世紀のリーディングカンパニーとなるために追及すべきことは売上高、資本金、社員数の多寡ではなく、100年先の未来を見据えたとき、出来るだけ多くの方に「ファン」になって頂くことが企業としての繁栄に繋がると考え、「アイケイに関わる全ての人たちに『ファン』になって頂く」ことを目標として、「ファンつくり」を経営理念とした。 | 
【1-3 事業内容】
(1)セグメント
2020年5月期より経営スピードの向上、成長事業への集中投資等が成長に必要であることに加え、投資家の理解促進のために事業セグメントを「BtoC事業」「BtoBtoC事業」「その他」に変更した。


➀B to C事業
子会社(株)プライムダイレクトが、WEBSITEやTVショッピング枠を通じて直接消費者に商品を提供しているほか、子会社(株)フードコスメが、韓国化粧品ブランドのフードコスメティック「SKINFOOD」を店舗販売している。店舗数は、国内主要都市の駅ビルを中心に2020年5月末現在、直営店22店舗、FC店3店舗の合計25店舗。
②B to B to C事業
メーカーとして企画・開発した化粧品、アパレル、靴・バッグ、美容・健康関連商品等を、生協、通販会社、店舗、海外の各ルートを通じて消費者に提供している。
(主な販売ルート)
| 生協ルート | コープさっぽろ、コープ東北、コープデリ連合会、パルシステム連合会、東都生協、ユーコープ、東海コープ事業連合、コープきんき事業連合、コープこうべ、コープCSネット、コープ北陸事業連合、グリーンコープ事業連合、コープ九州事業連合、全国の学校生活協同組合、愛知県生活協同組合連合会、日本生活協同組合連合会など。 | |
| 通信販売ルート | (株)高島屋、㈱東急百貨店、(株)ディノス・セシール、(株)ベルーナ、(株)千趣会、㈱ニッセン、イオンリテール(株)、auコマース&ライフ(株)、(株)エー・ビー・シーメディアコム、(株)J・A・Fサービス、(株)JALUX、(株)JR東日本商事、(株)読売エージェンシー、(株)小学館集英社プロダクション、(株)QVCジャパン、(株)ロッピングライフ、(株)日本文化センター、(株)全国通販、グリーンスタンプ(株)、(株)シャディ、(株)テレビショッピング研究所、(株)山忠、(株)ライトアップショッピングクラブ、(株)テレビ東京ダイレクト、(株)クレディセゾン、(株)郵便局物販サービスなど。 | |
| 店舗ルート | バラエティー系 | (株)ドン・キホーテ、(株)長崎屋、(株)UDリテール、(株)ロフト、(株)コスメネクスト、(株)東京ドーム、(株)イズミ、(株)東急ハンズなど。 | 
| ドラッグ系 | (株)マツモトキヨシホールディングス、(株)ツルハホールディングス、(株)コクミン、(株)クリエイトエス・ディー、(株)アインファーマシーズ、(株)サンドラッグ、スギホールディングス(株)、(株)ココカラファイン、イオンリテール(株)、(株)アマノ、(株)ダイコクなど。 | |
| HC系 | コメリ(株)、(株)カインズ、(株)ナフコなど。 | |
| 家電系 | (株)ヤマダ電機、(株)ビックカメラ、(株)ヨドバシカメラなど。 | |
| 海外ルート | ニュージーランド、アメリカ、中国、台湾、香港、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、カンボジア | |
③その他
子会社アルファコム(株)が、音声通話録音システム「Voistore」などコンタクトセンター構築に関わるシステムや、ビジネス版LINE「LINE WORKS」、チャットシステム「M-Talk」などを販売している。
(2)主な自社開発商品
マーケティングメーカーとして、様々なジャンルの商品を自社開発している。
≪化粧品≫

(同社資料より)
≪雑貨品≫

(同社資料より)
≪食 品≫

(同社資料より)
【1-4 特長と強み:マーケティングメーカーとしてのビジネスモデル】
同社を特徴づけている最大のポイントは、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行う「マーケティングメーカー」としてのビジネスモデルであろう。
同社のビジネスモデルは以下の3つの機能によって構成されている。

(1)強力な商品開発・発掘・調達力
幅広い販路から得た情報や30年以上に亘って培ってきた経験を活かし、魅力ある商品を開発・発掘・調達している。
毎週1回「開発承認会議」を開催し、それぞれ7~8名で構成される化粧品、雑貨、食品の3チームが、役員や販売担当責任者に対して新商品の提案を行う。
チャレンジを貴ぶ同社では各チームが自由な発想の下、毎月平均10以上のアイテムを提案するが、全てが承認されるわけではない。
同社では商品開発について「オリジナリティ重視」、「徹底的な差別化」等を定めた「開発十訓」が定められており、提案された商品はこれを基に厳しく批評されたり、宿題を出されたりするが、こうしたプロセスが開発担当者を鍛え、更なる商品開発力の強化に繋がっている。
(2)高いマーケティング力
ヒット商品の開発にあたって大きな力を発揮しているのが「高いマーケティング力」だ。
候補となった商品が実際に売れるのかを多彩な販売チャネルを使ってテストマーケティングを実施。その結果を受け、パッケージ、時期、ターゲット、価格など、様々な点で工夫を加え新たなプロモーションを行うことで、数多くのヒット商品を生み出している。
(3)多彩な販売チャネル
上記の多彩な販売先に対し単に商品を提案するのではなく、他チャネルでの成功事例なども合わせ、その販売チャネルで最も売れる売り方や見せ方も提案している。
販売先のニーズやフィードバックにアイケイならではのアイデアを融合させ、日々ブラッシュアップを行っている。
商品選定にとどまらず、カタログや媒体の制作、品質管理、受注業務、物流業務、カスタマーサービスまで、販路に合わせた全てのソリューションを販売先に提供しているのも大きな特徴である。
| 
 ソリューション  | 
 概要  | 
| 制作 | 企画に合わせたチラシ・カタログサイズで売れる紙面を制作する。 | 
| 受注業務 | 電話、メール、FAX、はがきなど全ての受注スタイルに対応したフレキシブルな基幹システムを有しており、より正確で迅速な受注業務を行っている。 | 
| 品質管理 | コンプライアンス遵守のほか、商品ジャンルごとに自主基準を設け、クレームの未然防止につなげる商品チェックを行っている。 | 
| 物流業務 | 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の行き届いた自社物流センターからエンドユーザー宛に個別宅配の出荷を行っている。 | 
| カスタマーサービス | 社内スタッフによるコールセンターで商品の問合せ、配送や交換相談までアフターサービスをワンストップで対応している。 | 
多くの同業他社が商品の企画・マーケティングのみに特化していたり、販売チャネルが店舗に限られていたり、商品の製造や物流を他社に一任していたりするのに対し、同社は柔軟に対応できるシステムとノウハウを持つことで、他社には真似のできない独自のプロモーション戦略を実行することが可能である。
【1-5 ROE分析】
| 
 13/5期  | 
 14/5期  | 
 15/5期  | 
 16/5期  | 
 17/5期  | 
 18/5期  | 
 19/5期  | 
 20/5期  | 
|
| 
 ROE(%)  | 
 4.2  | 
 -2.3  | 
 -3.4  | 
 4.9  | 
 25.0  | 
 29.0  | 
 9.1  | 
 14.0  | 
| 
 売上高当期純利益率(%)  | 
 0.51  | 
 -0.29  | 
 -0.40  | 
 0.53  | 
 2.79  | 
 3.50  | 
 1.35  | 
 2.08  | 
| 
 総資産回転率(回)  | 
 2.81  | 
 2.74  | 
 2.75  | 
 2.93  | 
 3.04  | 
 3.19  | 
 2.69  | 
 2.61  | 
| 
 レバレッジ(倍)  | 
 2.89  | 
 2.91  | 
 3.07  | 
 3.18  | 
 2.95  | 
 2.60  | 
 2.51  | 
 2.59  | 
主として売上高当期純利益率の寄与によりROEは2ケタに回復した。今期の売上高当期純利益率は1.95%と、前期より若干低下する予想。
2.2020年5月期決算概要
(1)連結業績概要
| 
 19/5期  | 
 構成比  | 
 20/5期  | 
 構成比  | 
 対前期比  | 
 期初予想比  | 
|
| 
 売上高  | 
 17,614  | 
 100.0%  | 
 18,483  | 
 100.0%  | 
 +4.9%  | 
 +9.1%  | 
| 
 売上総利益  | 
 7,974  | 
 45.3%  | 
 8,898  | 
 48.1%  | 
 +11.6%  | 
 –  | 
| 
 販管費  | 
 7,543  | 
 42.8%  | 
 8,307  | 
 44.9%  | 
 +10.1%  | 
 –  | 
| 
 営業利益  | 
 431  | 
 2.5%  | 
 590  | 
 3.2%  | 
 +36.9%  | 
 +2.4%  | 
| 
 経常利益  | 
 437  | 
 2.5%  | 
 623  | 
 3.4%  | 
 +42.5%  | 
 +6.6%  | 
| 
 当期純利益  | 
 238  | 
 1.4%  | 
 384  | 
 2.1%  | 
 +61.2%  | 
 -4.5%  | 
*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
増収増益、売上高は過去最高を更新。
売上高は前期比4.9%増の184億83百万円。過去最高を更新した。新型コロナウイルスの影響により店舗事業は大きく落ち込んだもののTVショッピングが牽引したB to C事業が2桁増収。B to B to C 事業、その他も増収。
B to C事業の伸長により粗利率が上昇し粗利額も同11.6%増加。広告宣伝費を中心に販管費も増加したが、吸収し営業利益以下、大幅増益となった。
売上、営業利益、経常利益は期初予想も上回った。
(販管費の推移)
| 
 19/5期  | 
 売上比  | 
 20/5期  | 
 売上比  | 
 前期比  | 
|
| 
 人件費  | 
 1,416  | 
 8.0%  | 
 1,479  | 
 8.0%  | 
 +4.4%  | 
| 
 広告宣伝費  | 
 3,286  | 
 18.7%  | 
 3,544  | 
 19.2%  | 
 +7.9%  | 
| 
 荷造運賃  | 
 1,124  | 
 6.4%  | 
 1,368  | 
 7.4%  | 
 +21.7%  | 
| 
 販管費合計  | 
 7,543  | 
 42.8%  | 
 8,307  | 
 44.9%  | 
 +10.1%  | 
*単位:百万円
TVショッピングの放映枠の拡大、中国向けプロモーションなどにより、広告宣伝費は前期比7.9%増加。運送費の高騰、個別配送増加などにより荷造運賃費も同21.7%増加。販管費率は前期から2.1ポイント上昇した。
◎四半期動向

有人店舗の落ち込みを無人店舗の伸長がカバーし、緊急事態宣言が発令された第4四半期(3‐5月)の売上は前年同期を上回り、第3四半期終了時点の想定も上回った。
(2)セグメント別動向
| 
 19/5期  | 
 構成比  | 
 20/5期  | 
 構成比  | 
 対前期比  | 
 期初予想比  | 
|
| 
 売上高  | 
||||||
| 
 B to C事業  | 
 5,991  | 
 34.0%  | 
 6,656  | 
 36.0%  | 
 +11.1%  | 
 +44.5%  | 
| 
 B to B to C事業  | 
 11,354  | 
 64.5%  | 
 11,539  | 
 62.4%  | 
 +1.6%  | 
 -4.0%  | 
| 
 その他  | 
 268  | 
 1.5%  | 
 287  | 
 1.6%  | 
 +6.8%  | 
 -10.3%  | 
| 
 合計  | 
 17,614  | 
 100.0%  | 
 18,483  | 
 100.0%  | 
 +4.9%  | 
 +9.1%  | 
| 
 営業利益  | 
||||||
| 
 B to C事業  | 
 61  | 
 1.0%  | 
 359  | 
 5.4%  | 
 +482.3%  | 
 –  | 
| 
 B to B to C事業  | 
 349  | 
 3.1%  | 
 176  | 
 1.5%  | 
 -49.4%  | 
 –  | 
| 
 その他  | 
 3  | 
 1.1%  | 
 3  | 
 1.2%  | 
 -2.4%  | 
 –  | 
| 
 調整額  | 
 16  | 
 –  | 
 50  | 
 –  | 
 –  | 
 –  | 
| 
 合計  | 
 431  | 
 2.4%  | 
 590  | 
 3.2%  | 
 +36.9%  | 
 –  | 
*単位:百万円。営業利益の構成比は営業利益率。20年5月期第1四半期より報告セグメントの区分を変更しており、19/5期の数値は変更後のセグメント区分に組み替えている。
①B to C事業
増収増益。
新型コロナウイルスの影響により、SKINFOOD全25 店舗を臨時休業した結果店舗売上は大きく落ち込んだが、TVショッピングの売上増が大きく寄与した。
TVショッピングでの売上が好調に推移したとともに売上効率(MR=メディアレーション)が下半期も高水準で推移し、前期より0.6ポイントアップし2.6ポイントとなった。
主なヒット商品は、ステップエイト、スピードヒート、足つらナイトなど。ステップエイトの販売額は20億円を超えた。
20年5月末のSKINFOOD店舗数は、直営店22店舗(前期末20店舗)、FC店3店舗(同2店舗)の合計25店舗。

②B to B to C事業
増収減益。
生協ルート、店舗卸ルート、海外ルートは増収。全体でも増収だったが広告宣伝費の増加、荷造運賃の高騰等により、販管費比率が1.6ポイントアップしたため減益。
③その他
増収減益。
主力商品のM-Talk(チャットシステム)の売上が堅調に推移した。
利益面では、利益率の低いM-Talkの売上が伸びたことから売上総利益率が低下し、営業利益は若干の減少。
(3)財務状態とキャッシュ・フロー
◎主要BS
| 
 19年5月末  | 
 20年5月末  | 
 19年5月末  | 
 20年5月末  | 
||
| 
 流動資産  | 
 5,741  | 
 6,268  | 
 流動負債  | 
 3,123  | 
 3,082  | 
| 
 現預金  | 
 410  | 
 670  | 
 仕入債務  | 
 1,094  | 
 1,154  | 
| 
 売上債権  | 
 2,766  | 
 3,176  | 
 短期借入金  | 
 1,143  | 
 809  | 
| 
 たな卸資産  | 
 2,054  | 
 1,852  | 
 固定負債  | 
 1,006  | 
 1,477  | 
| 
 固定資産  | 
 1,077  | 
 1,100  | 
 長期借入金  | 
 742  | 
 1,175  | 
| 
 有形固定資産  | 
 364  | 
 380  | 
 負債合計  | 
 4,129  | 
 4,559  | 
| 
 無形固定資産  | 
 121  | 
 163  | 
 純資産  | 
 2,688  | 
 2,809  | 
| 
 投資その他の資産  | 
 590  | 
 556  | 
 利益剰余金  | 
 1,917  | 
 2,166  | 
| 
 資産合計  | 
 6,818  | 
 7,369  | 
 負債純資産合計  | 
 6,818  | 
 7,369  | 
| 
 借入金残高  | 
 1,885  | 
 1,984  | 
|||
| 
 自己資本比率  | 
 39.4%  | 
 38.0%  | 
*単位:百万円
現預金、売上債権の増加などで資産合計は前期末比5億50百万円増加の73億69百万円となった。借入金の増加などで負債合計は同4億30百万円増加の45億59百万円となった。利益剰余金の増加などで純資産は同1億20百万円増加の28億9百万円。自己資本比率は前期末より1.4%低下し38.0%となった。
◎キャッシュ・フロー
| 
 19/5期  | 
 20/5期  | 
 増減  | 
|
| 
 営業CF  | 
 -722  | 
 712  | 
 +1,435  | 
| 
 投資CF  | 
 -275  | 
 -374  | 
 -98  | 
| 
 フリーCF  | 
 -998  | 
 338  | 
 +1,336  | 
| 
 財務CF  | 
 852  | 
 -139  | 
 -992  | 
| 
 現金同等物残高  | 
 542  | 
 802  | 
 +260  | 
*単位:百万円
税金等調整前当期純利益の増加、たな卸資産の減少などで営業CFおよびフリーCFはプラスに転じた。
短期借入金の減少、自己株式の取得により財務CFはマイナスに転じた。キャッシュポジションは上昇した。
3.2021年5月期業績予想
(1)通期業績予想
| 
 20/5月期  | 
 構成比  | 
 21/5月期(予)  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
|
| 
 売上高  | 
 18,483  | 
 100.0%  | 
 19,268  | 
 100.0%  | 
 +4.2%  | 
| 
 営業利益  | 
 590  | 
 3.3%  | 
 659  | 
 3.4%  | 
 +11.6%  | 
| 
 経常利益  | 
 623  | 
 3.4%  | 
 661  | 
 3.4%  | 
 +6.0%  | 
| 
 当期純利益  | 
 384  | 
 2.1%  | 
 375  | 
 1.9%  | 
 -2.3%  | 
*単位:百万円。予想は会社側発表。
増収増益。売上は過去最高を更新。
売上高は前期比4.2%増の192億68百万円、営業利益は同11.6%増の6億59百万円の予想。
今期はB to B to C事業が牽引。売上高は連続して過去最高を更新する。
配当は前期と変わらず12.00円/株の予定。予想配当性向は23.2%。
(2)セグメント別動向
*売上予想
| 
 20/5月期  | 
 構成比  | 
 21/5月期(予)  | 
 構成比  | 
 前期比  | 
|
| 
 B to C事業  | 
 6,656  | 
 36.0%  | 
 6,630  | 
 34.4%  | 
 -0.4%  | 
| 
 B to B to C事業  | 
 11,539  | 
 62.4%  | 
 12,317  | 
 63.9%  | 
 +6.7%  | 
| 
 その他  | 
 287  | 
 1.6%  | 
 320  | 
 1.7%  | 
 +11.4%  | 
| 
 合計  | 
 18,483  | 
 100.0%  | 
 19,268  | 
 100.0%  | 
 +4.2%  | 
*単位:百万円
4.今後の戦略
(1)全社的戦略
全社的な取り組みとしては、以下の4つを掲げている。
①世界で唯一の『マーケティングメーカー』というビジネスモデルを極める
世界で唯一の「マーケティングメーカー」を極めるために、同社では、「TVショッピングでマーケットに着火し、シームレスに各販路での販売拡大に繋がる」という仕組みを追求している。
そのためには、マーケティング力・商品開発力・営業力の強化が必要であり、経営資源を積極的に投入する。
②在庫三要素(原価率・製造リードタイム・製造ロット)のコントロール
メーカーであるため、以上3要素を重視し、適正在庫を確保し、機会損失の減少、利益率の向上を目指す。
③ジャパンビューティの海外輸出
LB商品の中国マーケットへの浸透を当面の目標とする。
④EC強化への取り組み
今回のコロナ禍でも無店舗販売は好調であったことから、改めてECの重要性を認識した。ECサイトの運営スペシャリストの育成やスカウトを図る。
(2)セグメント別戦略
①B to C事業
◎TVショッピング
同社では年間10~12アイテムのテストマーケティングを実施した結果、2~3のヒットアイテムを創出することができている。
これにより常に5~6のヒットアイテムを保有し、その商品属性によるTV枠の最適化を図り、安定した拡大成長を図る。
◎ECサイト
TVショッピングの受注ツールとして、最適化を図る。
また、ECにおけるストック型ビジネスを確立させるべく、今秋以降、新商品を投入する計画だ。
◎店舗ルート
SKINFOOD化粧品の店舗における反復来店率向上のため、サンプル引換券の配布を含めた諸施策を実施する。
また幅広い韓国コスメを取り揃えた韓国コスメ集積店舗開設の準備を進める。
②B to B to C事業
◎生協マーケットの深耕開拓
37年間という取引実績による信頼関係を維持拡大し、マーケティングメーカーとして開発した自社商品を投入していく。
◎小売店舗ルート
ドラッグ・バラエティストアを中心に、LB化粧品やたまご化粧品の導入店舗3000店を目指し、新ブランド化粧品の発売も視野に入れている。プロモーションコストは、InstagramやYoutubeなどSNSに集中投下する。
◎海外ルート
LB化粧品、たまご化粧品、B!FREEシリーズ化粧品で、中国マーケットを攻略する。
5.今後の注目点
全国的な緊急事態宣言が発令された同社の第4四半期(3‐5月)の売上高は前年同期を10%上回り、営業利益は25%の増益だった。また同期間のTVショッピングのMRも2.7と、2期前の2.2、前期の2.0を大きく上回った。
いわゆる「巣ごもり消費」需要を確実に取り込んだわけだが、ヒット商品を自ら生み出すことのできる「マーケティングメーカー」としての能力と、TVショッピングにより商品を的確に訴求できるマーケティング能力の相乗効果の賜物と言えるだろう。
世界で唯一の『マーケティングメーカー』というビジネスモデルを極めることを目指す同社だが、自社製品比率が60%であることからその完成度を60%と認識している。70%、80%、90%へ上昇するスピードを注目していきたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
| 組織形態 | 監査等委員会設置会社 | 
| 取締役 | 7名、うち社外3名 | 
◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2019年12月17日
<基本的な考え方>
当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが求められる中、上場企業として社会的使命と責任を果たすため、経営基盤を充実し、尚且つ高い倫理観を保持し、経営の透明性を一層高めることで、信頼される企業を目指してまいります。
また、当社は経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる経営体制の確立を重要な経営課題の一つと考えており、定時取締役会(月1回開催)、臨時取締役会(必要に応じて随時開催)のほか、常勤取締役(監査等委員である取締役を含む)及び執行役員による社内役員会(週1回開催)、チームマネージャー職以上で構成されるTOP会議(週1回開催)の開催により、多方面からの情報共有に努めております。
<実施しない主な原則とその理由>
| 
 原則  | 
 実施しない理由  | 
| 【補充原則1-2.(4)議決権の電子行使、招集通知の英訳】 | 当社は、現状、議決権電子行使プラットフォームの利用や株主総会招集通知の英訳等は行っておりませんが、機関投資家や海外投資家の株主構成等を踏まえ、株主の利便性も考慮し、必要に応じて検討してまいります。 | 
| 【補充原則4-1.(2)中期経営計画の説明】 | 当社は、中期計画を策定しておりますが、中期ビジョンを掲げることで株主・投資家との共有認識を醸成できるよう努めております。中期の利益計画については開示しておりませんが、今後も開示の有無について検討いたします。 | 
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
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 原則  | 
 開示内容  | 
| 【原則1-4 いわゆる政策保有株式】 | 当社は、取引先との継続的かつ安定的で良好な取引関係の維持・強化につながる政策保有株式を保有します。ただし、リターンとリスク等を踏まえ、中・長期的な観点から定期的に検証し、必要性が認められなくなった場合には売却を進めます。当該株式については、毎年、取締役会において保有目的や合理性、取得価格と時価との比較、受取配当金の状況等を検証し、保有の必要性を確認しております。
 議決権行使については、すべての議案に対して、原則、賛成行使しますが、株主価値の毀損につながる議案に関しては個別に精査いたします。 なお、議決権行使は、当該会社の状況や当社との関係維持・強化などを総合的に判断するため、外形的な基準を設けておりません。  | 
| 【原則5-1 株主との建設的な対話に
 関する方針】  | 
当社では、管理チーム総務グループをIR担当部署とし、株主からの対話の依頼に対しては、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう合理的な範囲で対応しております。
 代表取締役会長が、株主や機関投資家に対して、決算説明会を年に2回開催しております。なお、説明会に参加できない株主や投資家に対しては、当社のホームページにその決算説明会資料及び動画を掲載しております。  | 



