しばらく様子見が賢明

2020/07/31

先月より都道府県をまたぐ移動が全面的に解禁となったため、出張や観光による人の動きが活発化する中、奇しくも政府主導のGoToトラベルキャンペーンがスタートした初日に全国の新型コロナ感染者数が過去最多を記録。このところ連日で増加しており7/30においてはとうとう1300人台となった。急速に落ち込んだ旅行需要を回復するために補助金を出して積極的に国がサポートするというアイデアには賛成である。しかし、それはあくまでも「コロナ収束後」という条件が付いていたはずだ。再びコロナが急速に拡大している今のタイミングでなぜおこなうのか、非常に疑問である。今後日本でも爆発的な感染拡大につながることを強く危惧している。さて遅くなったが、6月のポートフォリオ状況ならびに7月の近況について記したい。

6月のマーケットは日米市場ともに上昇する展開となった。

米国市場は3ヶ月続伸。5月の雇用統計は予想の-800万人に対して+250万人、失業率も予想の20%に対して13.3%と先月の14.7%から改善するサプライズに。5月の小売売上高が+17.7%となり予想の+7.7%を大きく上回ったことから早期の景気回復期待が高まる。NYダウは一時27500ドル台まで上昇したものの、新型コロナ感染の拡大の勢いが衰えず、全米での感染者数は200万人を突破し6/11は1861ドル安と過去4番目の下げ幅。6月第3週の週間新規失業保険申請件数は151万人と予想の100万人を大幅に上回る。6月のNYダウは25812ドルと前月より429ドル上昇し月間騰落率は+1.7%。ナスダックは10058となり568ポイント上昇の+6.0%となった。

東京市場も3ヶ月続伸。米国高で買い優勢となり、売りポジションのヘッジファンドの買い戻しも活発化。ECBが追加の金融緩和を決定したことも追い風に。日経平均は3か月半ぶりに23000円台を回復したものの、急ピッチの上昇による警戒感から利益確定強まる。為替は先月末の107.15円から今月末は107.70円とやや円安に。売買代金は2.4兆円程度と商いは低水準。6月の日経平均は22288円で取引を終え、5月末の21877円から410円上昇し月間騰落率は+1.9%、Topixは-0.3%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+0.8%、マザーズ指数は+3.0%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における6月のパフォーマンスは+1.3%となり、年初来-6.0%、累計では+146.2%(5月末+143.0%)と前進。6月末時点のポートフォリオの株式比率は73%で28銘柄を保有(5月末は73%で28銘柄を保有)。株式部分の含み益は+23.4%(5月末は+20.5%)。ただし、73%のうち現物株のウェートは38%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計78%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは53%のロングポジションである。

6月も上昇相場となったが、さすがに上昇の勢いが鈍った。一方でマーケットのボラティリティは日中値幅、前日比において非常に大きい状況が継続。日米ともに恐怖指数は30前後で動き平常時と比べるとかなりの高水準である。

7月の日経平均は22000円台で推移し大きな動きを見せていない。国内外でワクチン開発のニュースが増えてきているものの、世界的にも国内的にもコロナ感染者は増加を続けており警戒感が高まっている。経済活動を再開したことでマーケットは4月以降大きく反発してきたが、再び自粛ムードが強まれば大きなダウンサイドリスクとなる。今週より日本企業の1Q決算の発表が本格化しているが、業績低調が目立ち売られる展開となっている。

急落局面から日経平均が22000円レベルまで戻ったため、無理をしてポートフォリオ全体のロングポジションを増やす必要はないと考えている。もちろん、個別銘柄においては常に買い増しの機会をうかがう方針に変更はないが、しばらく慎重姿勢で臨むのが賢明だ。

【太田忠投資評価研究所からのお知らせ】
インターネットによる個人投資家向けの投資講座へのご入会は随時受付中。
ご興味のある方はぜひ一度、弊社のホームページをご訪問下さい。
⇒太田忠投資評価研究所の「投資講座」

【FM軽井沢からのお知らせ】
『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』を毎週土曜日午後4時~5時に放送中。

(再放送は毎週日曜日午後9時~10時)
インターネットラジオでスマホ・パソコンにて全国からどこでも視聴が可能です。
詳しくはFM軽井沢のホームページをご覧ください。
⇒FM軽井沢「ホームページ」

 

太田忠投資評価研究所株式会社
太田忠の「勝者のゲーム」   太田忠投資評価研究所株式会社
機関投資家が敗者のゲームならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!株式投資を資産増加に直結させ、個人投資家の資産運用力向上のためのサービスを提供する太田忠投資評価研究所の太田忠のコラム。

このページのトップへ