今年の金融市場を象徴する、「5大ワード」とは?

2024/12/20

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◆2025年は、「経済」と「AI市場」の2つで米国が一人勝ちに

先週掲載の本コラム(2024年流行語大賞)が好評につき、「二番煎じ」とのご批判を顧みず、今年の金融市場を象徴する5大ワードを取り上げてみました。

第1位は「米国経済の軟着陸観測」。好景気持続と利下げ転換を両立する「魔法の言葉」として、今年の米国株高を正当化しました。しかし、トランプ次期米政権の政策は景気浮揚とインフレ加速の「ごった煮」であり、来年の米景気は「無着陸」、または「墜落」の可能性もありそうです。

第2位は「エヌビディア祭り」。生成AI相場をけん引するエヌビディアの好決算と連動し、半導体株が高騰する場面を指すものです。同社株は年前半に高騰したものの、後半は伸び悩んでいます。エヌビディアに代わる「主役」が出るのか、来年はAI相場が正念場を迎えそうです。第3位は「マグニフィセント7(M7)」。GAFAM※+テスラ、エヌビディアからなる米巨大ハイテク7銘柄を指しますが、EV販売の不振でテスラ株が大幅安となり、一時は「M6」状態でした。しかし、米大統領選でイーロン・マスクCEOと蜜月関係にあるトランプ氏が勝利し、規制緩和で同社の自動運転技術の実用化が早まるとの期待から株価が急反発しました。現時点でテスラ株は「またトラ」下での最大の勝ち組となってます。第4位は「ハリスの旋風(かぜ)」。これは米大統領選に6月から参戦したハリス現副大統領への支持が一時急上昇したことを、昭和のTVアニメの同タイトルとかけたものです。「親父ギャグ」として一部ウケしたものの、アニメキャラ(熱血ガキ大将)とハリス(セレブ&多様性)とは元々水と油でした。第5位は「手取りを増やす政策」久々に現役世代に「刺さった」政治家の言葉であり、本家の「流行語大賞」に最もふさわしい感があります。一方、「高齢者の手取り」を増やす政策(日銀の利上げ⇒預貯金金利の上昇)は進みませんでした。

※GAFAM:アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト

◆日本の「デフレ脱却」は、もはや「逃げ水」どころか「蜃気楼」?

番外は、「デフレ脱却」。石破内閣が10月、「今後3年間、デフレ脱却へ向けた集中取り組み期間」と発した際、腰が抜けそうになりました。消費者物価の伸び(前年同月比)が、日銀の物価目標2%を2年数カ月にわたって上回る中、「まだ3年もかかるんかい!」と突っ込んだ人も多かったでしょう。

政府の「デフレ脱却」とは、「(現状はデフレ=物価下落ではないが)再びデフレ状態に陥ることがないと安心して言える状況」をさすようです。今年の国内株式は1-3月に大幅高となった後は、ボックス圏内の推移が続きました。海外投資家の立場で考えてみると、経済の正常化にまだまだ時間がかかります!と政府や中央銀行が声高に喧伝する国の株式を積極的に買う気はしないのかもしれません。

永らくご愛読いただいた「語られざる真実」シリーズは、今回で最後となりました。お客様が資産運用に興味を持たれる一助となったとしたら幸いです。 

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