新NISAの開始から半年、今後はどうなる?

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◆NISAの口座開設件数、買付額は年初から鈍化傾向に

7月19日に日本証券業協会が発表した、NISA(少額投資非課税制度)口座の開設・利用状況(証券会社10社)は、6月単月で口座開設件数が20万件、買付額(成長投資枠+つみたて投資枠)は8,971億円となりました【左下図】。つみたて投資枠は横ばいである一方、成長投資枠は年初にまとまった資金が流入したことなどから減少しているとみられます。NISAを利用した個人投資家による買付けは国内株の需給を一定程度支えているとみられ、動向が注目されていますが、今後、口座開設件数や買付額の鈍化傾向はどうなるのでしょうか。

日経平均株価は7月に一時42,000円台と過去最高値を更新するなど、年初から上昇が続いていました。その後、8月初旬に株価は歴史的な乱高下となるなど大きく調整しました。【右下図】を見ると、個人投資家は相場の下落局面で買い、上昇局面で売る、いわゆる「逆張り」をする人も多いと思われます。足元、高値を付けた後の調整局面で、投資を始めやすいと考える人が増えるかもしれません。コロナ禍初期の2020年は、証券口座の開設件数が増加しました。経済活動の停滞による世界的な景気悪化で生活防衛意識が高まったことや、株価の回復を見込んだ投資が増加したとみられます。そのため、今回の株価の調整でも一定の口座開設件数の増加が期待できそうです。また、6月の毎月勤労統計調査で実質賃金が2年3カ月ぶりにプラスに転換しました。金融庁の調査では、投資未経験者がこれまで金融商品を購入していない主な理由として、「余裕資金がないから」が挙げられています。ようやくプラス転換した実質賃金ですが、これを維持できれば、新たに投資を始める人や、投資額を増やそうと考える人が出てくるかもしれません。

日経平均株価が水準を切り下げたことや、実質賃金がプラスに転換したことで、NISAの口座開設件数、買付額の鈍化傾向が和らぐことが期待されます。 

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