インドの経済・市場動向(2018年12月後半)株式市場は底堅い動き、新中央銀行総裁への期待が支える

インドの経済・市場動向(2018年12月後半)

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【ポイント1】株式市場は底堅い動き
新中央銀行総裁への期待が支える

■12月に入り、米中貿易摩擦問題への警戒感で新興国通貨が売られたことや、原油価格に下げ止まりの兆しが出たことから、インドルピーは対ドルで反落しました。さらに、突然のインド準備銀行(中央銀行)パテル総裁の辞任や、5州の地方議会選挙でモディ首相が率いる国政与党インド人民党(BJP)が敗北するなどの逆風がありましたが、インド株式市場は底堅い動きとなっています。中央銀行の新総裁がモディ政権寄りのダス氏に早々に決まり、ハト派的な金融政策への期待が支えとなりました。

【ポイント2】BJPは5州の地方選挙で全敗
来春の総選挙でモディ首相再選に黄信号

■注目されたインドの5州の地方議会選挙は、国政与党のBJPが全5州で敗北しました。BJPは、州政権を維持していたラジャスタン州など3州でも獲得議席数が過半数を割り込み、州政権を失うことが確実になりました。この地方選挙結果を受けて、2014年の総選挙で政権交代を果たしたBJPのモディ首相は、来年4~5月とみられる総選挙での再選に黄信号が灯ったとみられます。

【今後の展開】政治リスクはあるが、好調な経済が株式市場をサポート

■5州の地方選挙は来春とみられる総選挙の前哨戦と位置づけられていたため、経済改革を推進してきたモディ首相の再選が不透明になったと考えられます。株式市場では、総選挙への警戒感が強まる可能性があります。一方で、モディ政権は総選挙での勝利に向けて景気のテコ入れを積極化させるとみられます。

■インドは景気が堅調なことに加え、インフレ見通しが好転しており、経済のファンダメンタルズは引き続き良好です。政治リスクはあるものの、良好な経済環境が株式市場を支えそうです。

(2018年12月18日)

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