堅調な展開が見込まれる豪ドル相場(2018年11月)金利差、鉄鋼石価格等が豪ドル高要因

堅調な展開が見込まれる豪ドル相場(2018年11月)

【ポイント1】豪ドルは80円台前半で推移
もみ合いが続いている

■豪ドルの対円相場は、米中貿易摩擦の激化等から軟調に推移してきましたが、足元では1豪ドル当たり80円台前半で下値固めの動きとなっています。

20181122as1

【ポイント2】豪州の経済は良好
RBAは中立から引き締めの方向へ

■豪州経済は良好です。豪州準備銀行(RBA)は、11月9日に公表した四半期経済報告で、実質GDP成長率の予想値を上方修正しました。2018年が前年比3.25%→3.50%、20年が同3.00%→3.25%です。消費者物価上昇率も、基調ベースで19年を同2.00%→2.25%に上方修正しました(物価は10-12月期の予測値)。

■足元の物価上昇率が、RBAの目標レンジである2~3%を下回って推移していることから、RBAは当面、中立姿勢を維持する見通しです。しかし、19年後半にかけ失業率の低下や、賃金、物価の上昇率加速等、利上げの環境が整うと見られ、RBAは19年と20年に各1回、0.25%の利上げを実施すると予想されます。一方、日銀はしばらく緩和姿勢を維持すると見込まれることから、日豪の金利差は拡大の方向にあると考えられます。

20181122as2

【今後の展開】鉄鉱石価格も回復しつつあり、今後も豪ドルは堅調に推移しよう

■加えて、鉄鉱石価格も持ち直してきました。中国景気は減速傾向にありますが、それに対して政府は景気刺激策を打ち出しています。その効果で鉄鋼需要が持ち直してきたうえ、鉄鉱石の大幅な生産調整の効果もあり、中国における鉄鉱石の港湾在庫がピークアウトしてきたこと等によるものです。

■以上の通り、(1)景況感格差が豪州優位にあり、日銀の金融政策が緩和姿勢維持であるのに対し、RBAは中立から利上げに向かう見通しであること、(2)鉄鉱石価格が持ち直してきたこと等から判断すると、今後も豪ドルの対円相場は堅調に推移する見込みです。

(2018年11月22日)

印刷用PDFはこちら↓

堅調な展開が見込まれる豪ドル相場(2018年11月)金利差、鉄鋼石価格等が豪ドル高要因

関連マーケットレポート

2018年11月14日 緩やかな減速が続く中国経済(2018年11月)
2018年11月 6日 豪州の金融政策は中立姿勢を維持(2018年11月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会