米国の金融政策は現状を維持(2018年11月)当面は中立金利を目指して緩やかな利上げを継続へ

米国の金融政策は現状を維持(2018年11月)

【ポイント1】政策金利は据え置き
全会一致の決定

■米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、11月7日から8日にかけて開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導レンジを、2.00%~2.25%で据え置くことを決定しました。

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【ポイント2】声明文は前回とほぼ同じ内容
緩やかな利上げを継続へ

■国内経済については、「設備投資の伸びが年前半の急速な勢いからは鈍化したものの、個人消費が引き続き力強く拡大」したため、「景気と雇用は力強い速度で成長し、失業率は低下」との評価を据え置きました。

■物価に関しては、前回から変更がなく、「上昇率は+2%近くにとどまった」、「長期のインフレ期待(将来のインフレに対する予想)に、変化はほとんど見られない」でした。

■経済見通しに対するリスクも、「上振れと下振れで概ね均衡」で、変更は見られません。

■今後の金融政策の方向性については、従来通り「経済及び労働市場の情勢は、さらなる漸進的な利上げを正当化する」としました。

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【今後の展開】政策金利の着地点は3%程度と見られる

■今後の焦点は、FRBがどこまで利上げを継続するかですが、物価の落ち着き等を踏まえると、今年は12月にあと1回(年間で合計4回)、来年は2回程度の利上げが行われ、政策金利の着地点は中立金利(景気を刺激も抑制もしない金利の水準)とみなされる3%前後になると予想されます。

■8日の米国市場では、政策金利が据え置かれたものの、緩やかな引き上げの方針が改めて示されたことから、米ドルが円、ユーロ等の主要通貨に対して上昇、S&P500種株価指数が反落しました。他方、債券相場は、声明文の内容が前回からほとんど変化がなかったため、小動きにとどまりました。

(2018年11月 9日)

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