インドの経済・市場動向(2018年10月後半)インド株式は下落基調、通貨は下落一服

インドの経済・市場動向(2018年10月後半)

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【ポイント1】株価は下落継続
金融政策スタンスは引き締めに変更

■インドの株式市場は、下落基調が続いています。主要株式指数のSENSEXは8月28日に過去最高値をつけた後、調整局面に入り、10月25日には約半年ぶりの水準まで下げ、この間の下落率は▲13%となりました。9月以降インドルピー安の加速に伴う資金流出懸念や、インドの大手ノンバンクがデフォルト(債務不履行)を起こしたことに伴う信用不安の高まりで下落していたところに、10月に米株式相場が急落したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、幅広い銘柄に売りが出ました。

【ポイント2】インドルピーは下落一服
足元の原油安などがルピーをサポート

■通貨インドルピーは、対米ドルで一本調子の下落基調で推移してきましたが、10月9日に過去最安値をつけてからやや反発し、足元ではルピー安が一服しています。10月初旬以降の原油安が原油輸入国であるインドの通貨をサポートしているとみられることや、このところ人民元の値動きが安定していることもアジア通貨を落ち着かせる要因になっていると思われます。

【今後の展開】株価は当面不安定ながら中長期的には持ち直しへ

■インド株式市場は、世界的な株安が続くなかで当面不安定な相場展開が見込まれますが、インド経済の高成長を背景にした企業収益拡大により中長期的には持ち直すことが期待されます。ブルームバーグによれば、18年の予想EPS(1株当たり利益)の伸びは前年比19%、19年は22%の伸びが見込まれています。

■現在進行中のインド企業の7-9月期業績発表は概ね良好です。特に金融や消費関連は予想を上回る決算が多く、国内経済の堅調さが裏付けられています。

(2018年10月26日)

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