2週間後に迫った米国の『中間選挙』

2週間後に迫った米国の『中間選挙』

米国では、1期4年の大統領の任期の半分となる2年が経過した年に、上下両院および州知事等の公選職の選挙が実施されます。下院は435の全議席、上院は議席数100のうち3分の1が改選されます。『中間選挙』は、大統領の任期半ばに行われることから、現政権への信任投票という性質を持ちます。さらに、その結果は任期後半における大統領の政策にも大きな影響を及ぼすだけに、要注目です。

【ポイント1】『中間選挙』の焦点は、多数党がどれだけ議席を失うか

現在は上下院とも共和党が多数を占める

■今回の『中間選挙』は、11月6日の火曜日に予定されています。現時点における米議会の勢力図は、下院が共和党235議席、民主党193議席(空席7)、上院が共和党51議席、民主党49議席です。

■今回の選挙では、下院の全議席、上院の34議席(補欠選1議席を含む)が改選の対象となります。『中間選挙』は、多数党がどれだけ議席を失うかが焦点となります。

【ポイント2】注目の下院は民主党が優位

上院は共和党勝利の公算大

■上院は共和党勝利の可能性が高いと見られます。上院の改選数が共和党の8議席に対し、民主党は26議席もあり、圧倒的に共和党が有利だからです。ただし、議事妨害(フィリバスター)を阻止できる60議席を共和党が確保するのは、困難と見られます。注目される下院では、民主党優位の展開が続いています。

■政治関連の調査会社RealClearPolitics社の現時点における議席獲得予想は、上院が民主党44議席、共和党50議席(残り6議席は接戦)、注目の下院は民主党205議席、共和党199議席(接戦が31議席)と、民主党がやや有利な展開です。ただし、下院では接戦区が31もあることを踏まえると、拮抗していると言えます。

 
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【今後の展開】共和党支持者の投票率が何処まで上昇するかが焦点

■過去の経験則によれば、選挙前の大統領支持率と議席増減との間には概ね正の相関関係が認められます。RealClearPolitics社の調査によれば、トランプ大統領の支持率は40%程度に過ぎません。この程度の支持率では、共和党議席減の公算が大きいと見られます。

■仮に、下院選で民主党が勝利すると、共和党主導の予算編成が困難になり、追加減税や、移民対策(国境の壁建設)、医療制度改革等は実現の可能性が後退すると予想されます。ただし、トランプ政策に満足する共和党支持者の投票率次第では、結果が逆転する公算もあり、注目したいと思います。

(2018年10月23日)

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