予想通り減速した中国経済(2018年10月)7-9月期GDPは+6.5%、インフラ投資に底入れの兆し

予想通り減速した中国経済(2018年10月)

【ポイント1】7-9月期GDPは+6.5%
市場予想を下回り、2期連続の減速

■中国国家統計局は19日、主要経済指標を発表しました。2018年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.5%と、前期の+6.7%から伸びが鈍化しました。成長率の減速は2期連続で、市場予想の同+6.6%を下回ったものの、2018年の政府の成長率目標の「+6.5%前後」に沿った結果となりました。

 

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【ポイント2】固定資産投資は底入れ
小売の伸び拡大で内需は堅調

■2018年1~9月の固定資産投資は前年同期比+5.4%と、1~8月の同+5.3%から伸び率がやや拡大しました。注目されたインフラ投資は、9月単月で前年同月比▲1.8%と、8月の同▲4.3%だったところから底入れの兆しが見られました。

■9月の鉱工業生産は前年同月比+5.8%と、8月の同+6.1%から減速しました。コンピュータ・情報通信は同+12.6%と全体を上回り、依然堅調です。

■9月の小売売上高は前年同月比+9.2%と、8月の同+9.0%から伸び率が拡大しました。

 

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【今後の展開】インフラ投資が加速に転じ、景気を下支えする見込み

■これまで中国政府は、地方政府の債務抑制を行っていたため、インフラ投資が減速してきました。しかし米国との貿易摩擦の高まりなどを受け、インフラ投資を積極化するなどして国内景気を刺激するとしています。このためインフラ投資は今後加速し、固定資産投資の加速や鉄鋼などの需要拡大が見込まれます。

■これに加えて、中国人民銀行は預金準備率の引き下げなど金融緩和を実施しています。景気減速懸念の一因である米国との貿易摩擦は、7月以降段階的に追加関税が課されており、来期以降の経済成長にも影響が及ぶと見込まれますが、これらの政策によって景気の減速は緩やかなものにとどまると見られます。

(2018年10月19日)

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