引き続き良好な内容だった米国の雇用統計(2018年9月)労働需給の引き締まりにより失業率が大幅に低下

引き続き良好な内容だった米国の雇用統計(2018年9月)

【ポイント1】雇用者数は13.4万人増
特殊要因が影響、実態は良好

■2018年9月の非農業部門雇用者数は、前月比13.4万人の増加でした。ブルームバーグ集計による市場予想の同18.5万人増を下回りました。

■しかし、当月は、米東海岸を襲ったハリケーンの影響を受けたと見られます。しかも、過去2カ月の雇用者数が合計で8.7万人ほど上方修正されました。これらを考え合わせると、雇用情勢は引き続き良好と言えます。実際、3カ月移動平均をとると同19.0万人増、6カ月移動平均では同20.3万人増となります。

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【ポイント2】失業率は大幅に低下
賃金も堅調に増加

■失業率は3.7%と、前月の3.9%から大きく低下しました。労働需給の引き締まりが進んだことを示唆しています。労働力人口(労働供給)が伸び悩む一方で、就業者数(労働需要)が堅調に増えているためです。

■一方、賃金は前月比0.3%増でした。前年同月比では+2.8%と、8月の同+2.9%から鈍化しましたが、昨年9月の賃金がハリケーンの影響で一時的に押し上げられたことが原因です。労働需給ひっ迫の影響は、賃金にも波及していると考えられます。

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【今後の展開】政策金利は今後も緩やかなペースで引き上げられる見通し

■雇用統計が公表された10月5日の米債券市場では、債券利回りが上昇(債券価格は下落)、株式市場ではダウ平均株価が下落しました。失業率が1969年12月に記録した3.5%以来の低い水準となったこと、雇用者数は市場予想を下回ったものの、前月の数値が大幅に上方修正されたこと等から、利上げの軌道に変化はないとの観測が強まったためです。

■米景気・雇用の拡大を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を継続的に引き上げると予想されます。利上げの着地点は景気を刺激も抑制もしない金利水準(中立金利)とみなされる3%が、ひとつの目安と考えられます。この3%に向けて、年内あと1回、来年は2回程度の利上げが実施されると見られます。

(2018年10月 9日)

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