豪州の金融政策は引き続き中立(2018年10月)失業率と物価は改善を続けているが、その速度は緩慢

堅調さを維持する豪州経済(2018年10月)

【ポイント1】事前の予想通り現状維持
全会一致の決定

■豪州準備銀行(RBA)は、10月2日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置く決定をしました。

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【ポイント2】金融政策は現状維持
失業率、物価は緩やかに改善

■豪州の景気、物価に関するRBAの見解に、特に大きな変化はありませんでした。RBAは、豪州経済について2018年、続く19年とも+3%を僅かに上回る成長を予想しています。

■RBAが重視する物価に関しては、18年4-6月期の消費者物価上昇率が、異常値を除外したトリム平均値で測って前年同期比+1.9%となりました。目標値の下限+2%に接近しましたが、RBAは「今後、電気代等の管理費の一時的な低下が見込まれるため、18年の消費者物価上昇率は想定していたよりも若干低くなるだろう」としています。

■失業率と物価の見通しは、「今後も改善基調を維持するものの、その速度は緩やか」を据え置きました。金融政策は当面、現状維持が続く可能性が高いと考えられます。

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【今後の展開】豪ドルは底堅い動きとなろう

■政策金利の据え置きは市場の予想通りでしたが、豪ドルの対円相場はやや弱含みの動きになっています(15時現在)。ユーロ安に伴い米ドル高が進んだことが背景になっています。

■もっとも、豪州の景気が堅調な拡大を続けていること、日銀の金融政策が緩和姿勢継続なのに対してRBAは中立姿勢を維持していること等を踏まえると、豪ドルは概ね底堅い展開が見込まれます。ただし、米国の保護主義的な通商政策には注意を払う必要があると考えられます。

(2018年10月 2日)

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