アジア・オセアニアのリート市場(2018年5月)金利の変動性が高まるなかでまちまちの動き

アジア・オセアニアのリート市場(2018年5月)金利の変動性が高まるなかでまちまちの動き

【ポイント1】5月はまちまちの動き

香港、オーストラリアが上昇

■18年5月のアジア・オセアニアのリート市場を現地通貨ベースでみると、まちまちの動きとなりました。

■シンガポール市場は、政府が18年のGDP成長率見通しの下限を引き上げるなど景気は堅調でしたが、需給の緩みが生じたことなどから下落しました。

■香港市場は、長期金利の変動が重しとなりましたが、市場予想を大幅に上回った18年1-3月期のGDP成長率が好感されて、小幅に上昇しました。

■オーストラリア市場は、金融政策の現状維持が続く中で長期金利が低下したことや、米系大手投資ファンドによる買収提案の発表もあり上昇しました。

 

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【ポイント2】円ベースもまちまちの動き

為替要因はマイナス寄与

■18年5月の騰落率を円ベースでみると、シンガポール市場が▲3.9%、香港市場が▲0.4%、オーストラリア市場は+2.5%と現地通貨ベースをやや下回りました。アジア・オセアニア全体では+0.4%となりました。

■5月の円相場は、米中の貿易摩擦の再燃や南欧での政局不安を受けてリスク回避の動きが強まったことにより円高となりました。このため、為替効果がマイナスに寄与しました。

 

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【今後の展開】リートの安定的な業績が注目されよう

■アジア・オセアニアリート市場は、投資家の視点がリートの堅調な業績に徐々に移ることで、今後も堅調に推移することが期待されます。シンガポール市場は、景気や市況の回復期待を支えに堅調な推移が見込まれます。中でも、ホテルは観光に加え、企業のビジネス宿泊需要も持ち直すと考えられ、今後ホテルリートの収益回復が期待されます。香港市場は、好決算を発表した主要銘柄の上昇が支えになると期待されます。オーストラリア市場は、利上げ観測が後退しているため金利が低位で推移すると見られることなどにより、堅調な推移が予想されます。
 
(2018年 6月13日)

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