IMFの世界経済見通し(2018年4月)世界経済は3.9%成長が続く見通し

IMFの世界経済見通し(2018年4月)世界経済は3.9%成長が続く見通し

【ポイント1】世界経済は2019年まで3.9%成長が続く見通し

広範な回復持続

■4月17日に発表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによれば、2018年、19年共に3.9%と、18年1月の見通しを据え置きました。内訳を見ると、18年は先進国・地域が0.2ポイント、19年は新興国・地域が0.1ポイント上方修正されました。新興国・地域も含めて経済成長のすそ野が広がる見通しです。

 

【ポイント2】米国の成長率が上方修正

減税と包括的歳出法の恩恵を反映

■先進国・地域では、米国が18年、19年共に1月時点より0.2ポイントの上方修正、17年10月時点の予測との比較では18年が0.6ポイント、19年が0.8ポイントの上方修正となりました。昨年12月に成立した減税と今年3月に成立した包括的歳出法による押し上げ効果を反映した結果です。ユーロ圏は18年の予測が1月時点から0.2ポイント上方修正されました。日本の見通しは据え置かれました。

■新興国・地域では、ブラジルが18年、19年共に1月時点より0.4ポイント上方修正となりました。新興欧州は18年に0.3ポイントの上方修正、19年が0.1ポイントの下方修正となりました。新興アジアは、中国の成長率が緩やかに鈍化する一方、インドの成長が加速する見通しに変化はありませんでした。

 

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【今後の展開】貿易摩擦の拡大に留意

■今回の経済見通しでは、世界の貿易数量の伸び率の予測が18年は前年比+5.1%、19年同+4.7%となりました。特に新興国は18年が同+6.0%、19年が同+5.6%と好調を維持する見通しです。

■今後の世界経済は、好調な貿易に加え、消費者や企業のマインドも良好なことから、当面堅調な展開が期待できる見通しですが、次第に成長率が鈍化する可能性も指摘されました。IMFは、物価上昇率の高まりを背景に米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを加速する可能性や米中の貿易摩擦の拡大を下振れ要因として指摘しています。なかでも、世界的に貿易制限と報復措置の悪循環が拡大すれば、これまで世界経済の成長を促してきた自由貿易の足かせとなる可能性があるだけに留意する必要がありそうです。

(2018年 4月18日)

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