世界の「投信マネー」(2018年4月)2018年3月は「新興国」ファンドへの資金フローに変化

世界の「投信マネー」(2018年4月)2018年3月は「新興国」ファンドへの資金フローに変化

 

株式ファンドへの流入が続くが、「新興国」が減少

■3月の株式ファンドは全体で+100億ドルと2月(+62億ドル)より超過額が増加しました。内訳は先進国が+41億ドル(前月▲46億ドル)、新興国が+59億ドル(同+108億ドル)でした。

■先進国の内訳を見ると「北米」が▲158億ドルでしたが、「アジア(注3)」が+147億ドル、「グローバル」が+126億ドルなどとなりました。「アジア」は他国・地域ファンドの出入りが少なく、ほとんどが「日本」(+147億ドル)でした。一方、新興国は、新興国全体に投資する「GEM(注4)」が+37億ドル(前月+68億ドル)、「EMアジア(注5)」が+8億ドル(同+31億ドル)とともに減少しました。「EMアジア」では「中国」が+10億ドル(前月+19億ドル)と他の国・地域の流出超を上回る流入超となりました。

 

債券ファンドは再び流入超だが、「新興国」が流出超

■3月の債券ファンドは+21億ドルと流入超に転じました(前月▲26億ドル)。内訳は先進国が+30億ドル、新興国が▲9億ドルでした。先進国は、「アジア」が流出超を継続しましたが、「グローバル」、「北米」、「欧州」が小幅ながら流入超に転じました。一方、「新興国」は中心となる「GEM」の流入超過額が減少する中、「EMアジア」の流出超過額が増加したため、流出超に転じました。

 

「アジア」株式以外は流入超過額が細る

■3月は前月に比べて、資金の流入超過額が細りました。2016年1月からの資金フローの累積額を見ると、株式ファンドでは「アジア」以外、債券ファンドでは主要地域すべてにおいて流入超過ペースが鈍化しています。米・欧の金融政策が正常化する中、市場は長期金利の上昇を意識せざるを得ない局面にあることやトランプ大統領の貿易交渉等対外政策についての不透明感の高まり等が背景と考えられます。流入額の復調には外部環境の透明性が高まるのを待つ必要がありそうです。

 

 

 

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(2018年 4月 2日)

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