利下げが続くブラジルの金融政策(2018年3月)インフレの低下から0.25%利下げ
利下げが続くブラジルの金融政策(2018年3月)インフレの低下から0.25%利下げ
【ポイント1】0.25%の利下げ
政策金利は過去最低を更新
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、3月21日の金融政策委員会で、政策金利を0.25%引き下げて、6.50%とすることを全会一致で決定しました。利下げは12会合連続で、政策金利は過去最低を更新しました。
【ポイント2】インフレは低水準が続く
今後は中銀目標に収まる見通し
■中銀は声明文で、足もとの経済指標からみてブラジル経済は回復しているとの認識を示しました。
■2月の消費者物価は前年同月比+2.84%と、小幅ながら1月よりも上昇幅が縮小し、中銀の目標レンジ(4.5%±1.5%)の下限を下回り続けています。中銀は、年明け以降のインフレが低水準で落ち着いていることを、利下げの理由としています。
■一方、今後のインフレについては、2018年は前年比+3.8%、2019年は同+4.1%と徐々に上昇し、中銀目標レンジに収まると見ています。
【今後の展開】次回も利下げが見込まれる
■中銀の声明文によると、次回5月の金融政策委員会でも、0.25%の利下げが行われる見通しです。通貨レアルはこの先、神経質な展開となりそうです。これまでの金融緩和の効果などによりブラジル経済は回復しつつあり、この流れは今後も続くと見られます。一方、現大統領のテメル氏も汚職への関与が取りざたされている他、緊縮財政への国民の支持が低いこともあり、財政赤字改善に向けた年金改革は停滞しています。10月の大統領選に向けて政局の不透明感がレアルの向かい風となりそうです。
(2018年 3月22日)
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