『SQ』は日本株式市場の転機となるか?

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今年の日本の株式市場は大幅に上昇して始まり、日経平均株価は1月23日には24,000円台を回復しました。2月以降は米国株式の大幅下落を受けて急落し、不安定な展開が続いています。こうした状況の中、3月9日に『SQ』を迎えます。株式市場は『SQ』の前に突然変動率が高まったり、前後で株式市場の方向性が変化することがあります。3月9日の『SQ』は株式市場の転機となるか注目されます。

【ポイント1】『SQ』とは先物・オプション取引を決済するための清算価格

3月、6月、9月、12月がメジャー『SQ』

■『SQ』とは“Special Quotation”の略で、日経平均先物やTOPIX先物などの株価指数先物取引、または株価指数のオプション取引などを、最終的な決済期日で決済するための「清算価格」のことを指します。

■『SQ』の清算日は先物取引もオプション取引も第2金曜日です。先物取引は四半期の末月、オプション取引は毎月清算が行われるため、3月、6月、9月、12月は両方の清算が重なります。これをメジャー『SQ』(以後『SQ』)と呼びます。『SQ』は、寄付きでより多くの売買がなされて売買高が大きく膨らみます。

 

 

【ポイント2】『SQ』前は変動性が高まる傾向

『SQ』は株式市場の転換点

■『SQ』前は株価の変動率が大きくなる傾向があります。投資家は『SQ』に向けて多様なポジションの決済等の対応を迫られます。『SQ』前に何らかの要因で株価が変動した場合に先物・オプションでのポジションを解消する動きが集中し、裁定取引を誘発して一気に変動率が高まることがあります。例えば『SQ』の2日前にあたる2015年9月9日には、日中に日経平均株価は上下1,014円幅の変動となりました。

■『SQ』の前後で株式市場の方向性が変化することもあります。例えば上昇が続いていた場合はロングポジションや裁定買残が次限月に持ち越され、ロングポジション過多で新限月を迎えるためです。

 

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【今後の展開】株式市場は『SQ』後には上昇に転じる可能性が強い

■今回の『SQ』は米国株安や円高等により株式市場が大幅に下落した局面で迎えます。リスク回避姿勢が強まり日経平均ボラティリティ・インデックスは上昇、先物のロングポジションの解消に伴い通常10~20億株程度のネット裁定残は4.94億株(3月2日現在)と低水準まで急減、空売り比率も3月2日には統計を取り始めて以来最高の48.8%を記録するなど、『SQ』を控えた不安などからショートポジションが積み上がった状況になっています。このため、株式市場は『SQ』後には次第に落ち着きを取り戻し、上昇に転じる可能性が高いと見られます。

 

 

 

(2018年 3月 8日)

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