アジア株式市場の見通し 株価収益率はほぼ1年前の水準に低下、割高感後退

アジア株式市場の見通し 株価収益率はほぼ1年前の水準に低下、割高感後退

 

【ポイント1】大幅調整となったアジア株式市場

直近高値から約8%の下落

 

■アジアの株式市場は、2月に入ってから世界の株式市場に連動して大幅に調整しています。MSCI AC アジア(除く日本)(アジア株価指数)は、1月26日の776.15ポイントをピークに2月8日現在711.25ポイントと8.4%の下落となりました。

 

 

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【ポイント2】割高感が大きく後退

予想株価収益率はほぼ1年前の水準

 

■株価が調整する中、予想株価収益率も大きく低下しました。予想株価収益率は2017年の年央以降概ね13倍台で推移していました。2017年末以降はさらに上昇し、ピッチの速さから2018年1月末には高値警戒感も出ていました。ただ、(1)1株当たり予想利益が堅調に伸びている、(2)データの取得が可能な2004年から見ると、予想株価収益率はリーマン・ショックの時期を除けば概ね12倍台を中心に±2倍台程度で推移していた、などから、必ずしも割高とは言えないと考えられました。今回、株価が大きく調整したことによって、予想株価収益率は12.6倍と過去の平均的な水準まで低下し、割高感はさらに後退しました。

 

 

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【今後の展開】予想利益の伸びは堅調

アジア通貨も堅調に推移

 

■足元の調整は世界の株式市場に連動した下落であり、アジアの経済や企業収益に与える影響は今のところ確認できません。1株当たり予想利益は調整することなく堅調に推移しています。また、アジア通貨(対米ドル)も軽微な調整にとどまっています。今後は世界株式市場が安定する中で、アジア株式市場も落ち着きを取り戻すと期待されます。

 

 

(2018年 2月 9日)

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