インドのGDP成長率(2017年7-9月期)経済対策などにより、景気回復が続く見込み

インドのGDP成長率(2017年7-9月期)経済対策などにより、景気回復が続く見込み

 

【ポイント1】7-9月期GDPは伸びが加速

GST導入を巡る混乱は落ち着きへ

 

■2017年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.3%となりました。4-6月期の同+5.7%から伸び率が加速しました。

■需要項目別では、個人消費が堅調で、固定資本形成(投資)の伸びが前期から回復しました。また産業別では、鉱業や製造業が成長をけん引しました。

■7月1日に導入された物品サービス税(GST)を巡る混乱は最悪期を脱し、製造業を中心に景気回復局面に戻ったと考えられます。

 

 

 

 

20171201as1

 

 

【ポイント2】経済政策が成長を後押し

モディ政権の改革が評価され格上げ

 

■10月24日、インド政府は大型の経済政策を発表しました。これにより、中長期的な経済成長が加速すると見られます。特に、銀行への資本注入については、不良債権処理進展に伴う融資拡大を通じて景気回復を後押しすると考えられます。

■また11月16日、大手格付け機関のMoody’sインベスターズ・サービシーズは、モディ政権の改革への取り組みなどを評価し、インドの長期債格付けをこれまでのBaa3から一段階引き上げて、Baa2としました。

 

 

20171201as2

 

 

 

【今後の展開】景気回復が続く見込み

 

■インド経済は、昨年の高額紙幣廃止に続き、GST導入の影響から一時的に減速しました。しかし、GSTを巡る混乱は落ち着きを見せつつあり、今後は緩やかに成長が高まると考えられます。ただし、財政赤字の拡大傾向が見られ、今後も改善しない場合には、インド準備銀行の政策姿勢がタカ派に転じる可能性もあります。

■今後は企業業績の改善が期待され、インド株式は堅調な展開が見込まれます。インフレは緩やかに上昇すると見込まれますが、投資の上振れが続けば、生産性の向上を通じてインフレ抑制要因となります。経済の高成長や改革期待を背景に、今後もインドへは資金流入が続くと期待されます。

 

 

(2017年 12月 1日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー インドのGDP成長率(2017年7-9月期)経済対策などにより、景気回復が続く見込み

関連マーケットレポート

2017年11月22日 インドの経済・市場動向(2017年11月)

2017年11月20日 Moody’sがインドを格上げ

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会