『FOMC議事要旨』、引き続き物価動向を注視

<今日のキーワード>『FOMC議事要旨』、引き続き物価動向を注視

10月31日~11月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が、11月22日に公表されました。今回の『FOMC議事要旨』では、参加者によるインフレの見方が一段と慎重になり、インフレ率が長期にわたってFOMC目標値の+2%を下回る可能性が指摘されました。労働市場の状況を踏まえると、利上げは継続されると見られますが、インフレが落ち着いているため、その速度は緩やかなものに止まりそうです。

【ポイント1】米国経済に関する評価に大きな変化はなし

労働需給の逼迫が中期的にインフレ率を押し上げる見通し

■『FOMC議事要旨』によれば、米国の景気・物価に関するFOMC参加者の中期見通しに大きな変更はなく、「労働需給の逼迫がインフレの加速につながり、中期的にインフレ率はFOMCの目標値である+2%前後で安定する」との判断を据え置きました。

 

 

【ポイント2】一段と慎重になったインフレに対する見方

長期にわたってインフレ率がFRB目標値の+2%を下回る可能性を指摘

■今回の議事録で特に注目されるのは、FOMC参加者によるインフレの見方が一段と慎重になった点です。多くの参加者が、インフレ率について、FOMCの目標値+2%を想定よりも長期にわたって下回る可能性を指摘しました。

■その理由として、①需給逼迫に対するインフレの感応度が低下している、②考えられているほど労働需給は逼迫していない公算がある、③インフレは景気変動に遅れて動く傾向が強い、④技術革新が進んでいる、等が挙げられました。

 

 

 

171127MK

 

 

【今後の展開】緩やかな利上げを継続する見通し

■今回の『FOMC議事要旨』の内容は、市場に織り込まれている12月利上げ見通しに修正を迫るものではありませんでした(次回FOMCの開催予定日は12月12日~13日)。もっとも、インフレに対する評価がやや慎重になったことから、11月22日の米国市場では債券利回りが低下(債券価格は上昇)、米ドルは主要通貨に対して下落しました。

■12月に想定通り0.25%の利上げが実施されれば、政策金利の水準は1.25%~1.50%になります。労働市場が完全雇用の状態に到達したと見られること等から、その後も利上げは継続されると予想されますが、インフレが低い水準で落ち着いていること等を踏まえると、利上げペースは引き続き緩やかなものに止まる可能性が高いと考えられます。

 

 

(2017年 11月 27日)

印刷用PDFはこちら↓

『FOMC議事要旨』、引き続き物価動向を注視

 

 

関連マーケットレポート

2017年11月21日 『ブラック・フライデー』は今年も好調な見通し

2017年11月02日 米国の金融政策(2017年11月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会