豪州経済は堅調(2017年10月)金融政策は中立維持の見通し、豪ドルは堅調に推移しよう

豪州経済は堅調(2017年10月)金融政策は中立維持の見通し、豪ドルは堅調に推移しよう

 

【ポイント1】雇用は増勢を維持

家計消費の拡大を支える見通し

 

■2017年9月の雇用者数は前月比2.0万人の増加となりました。雇用者数は月毎の変動が大きいため、振れを均したトレンド値を見ると、同2.4万人の増加となります。失業率を押し下げるのに必要とされる雇用の増加数2万人を、17年は継続的に上回っています。一方、同月の失業率は5.5%でした。14年10月の6.4%を当面のピークに改善を続けています。企業景況感指数が上昇傾向にあり、採用意欲も強まってきたこと等を踏まえると、労働市場の改善は今後も続く見通しです。

■小売売上高は6月の前年同月比3.7%増から7月の同3.5%増、8月の同2.1%増と勢いが鈍ってきました。しかし、労働市場が改善傾向にあること等から、今後は再び増勢を強める見込みです。

 

 

 

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【ポイント2】当面、金利据え置きの見通し

景気は堅調だが、物価が目標に未達

 

■7-9月期の消費者物価上昇率は、豪州準備銀行(RBA)が重視するトリム平均値で見て、前年同期比+1.8%となり、RBAの目標レンジ+2%~+3%の下限を引き続き下回りました。

■RBAは、10月3日開催の金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置きました。雇用は堅調ですが、①足元の失業率が完全雇用に対応する水準と見られる5.2%を僅かに上回っている、②個人消費に勢いが欠ける、③物価上昇率がRBAの目標レンジに到達していない等から判断すると、金融政策は今後も中立が維持される見通しです。

 

 

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【今後の展開】豪ドルは底堅い展開へ

 

■日豪金融政策の方向性の違い、つまりRBAの中立姿勢維持に対して、日銀は緩和姿勢の継続が予想されることに加え、資源価格の安定化が見込まれる等から判断すると、今後も豪ドルの対円相場は底堅く推移すると予想されます。

 

(2017年 10月 25日)

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