『FOMC議事要旨』 物価の動向を注視

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9月19~20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が、10月11日に公表されました。今回の『FOMC議事要旨』からは、金融市場が安定してきたこともあり、FOMCのスタンスが再び経済、特に物価重視に戻ってきたことが窺われます。その物価については、大型ハリケーンの襲来はあったものの、影響は一過性であり、中期的な見通しには影響はなしと判断され、年内追加利上げの可能性が示唆されました。

【ポイント1】米国経済に関する評価に大きな変化はなし

ハリケーンの影響は限定的

■『FOMC議事要旨』によれば、景気、労働市場に関する参加者の評価は前回7月の会合から大きな変化はありませんでした。米国南部を襲った大型ハリケーンの影響については、17年7~9月期のGDPを下振れさせる可能性があるものの、その後は復興需要の立ち上がり等が見込まれるため、中期的な経済見通しへの影響はほとんどないとの見方で一致しました。こうした議論を受けFOMCは政策金利の据え置きを決定しました。

 

【ポイント2】中期的な経済見通しに変化なければ年内利上げが適切

物価上昇に確信が持てるまでは、利上げを行うべきではないとの意見も

■今回の会合で議論の中心となったのは、「物価と今後の金融政策」です。まず物価については、大多数の参加者が、労働需給のタイト化から見て、最近の上昇率鈍化は一時的なものと評価しました。これに対して、技術革新の進展といった長期的なトレンドが関係している可能性を指摘する委員も散見されました。

■一方、金融政策に関しては、中期的な経済見通しに変化がなければ、年内の追加利上げが正当化されるとの見方が多数を占めました。ただし、幾名かの委員が物価見通しに不透明さがあるため、利上げの前に、もうしばらくデータを見る必要があるとしたほか、物価が明確な上昇トレンドに乗ったとの確信が得られるまで利上げを行うべきではないとの見方も存在しました。必ずしも年内利上げの合意が形成されているわけではないようです。

 

 

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【今後の展開】金融緩和の縮小ペースは緩やかになる見通し

■『FOMC議事要旨』が公表された10月11日の米国市場では、物価の下振れに対する警戒感が示された今回の議事要旨がハト派的と評価されたことなどから、米ドルは主要通貨に対して下落、株価は企業決算への期待もあり上昇しました。

■米国では景気拡大、物価の低位安定が続く見通しです。利上げは継続され、10月には米連邦準備制度理事会(FRB)が保有する資産の縮小も始まりますが、いずれも慎重に進められるため、景気や金融市場への影響は大きくないと見られます。

 

 

 

(2017年 10月 13日)

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