米国債券市場の動向(2017年9月)長期金利は緩やかな上昇へ、社債は堅調さが続こう

米国債券市場の動向(2017年9月)長期金利は緩やかな上昇へ、社債は堅調さが続こう

 

【ポイント1】国債利回りは小幅な上昇

利上げ観測の強まり等が影響

 

■2017年9月末の米国10年国債利回りは2.33%、前月末比0.22%の上昇となりました。

■9月は初旬に、北朝鮮による核実験や大型ハリケーンのフロリダ接近を受け、リスク(危険)回避の動きが強まったため、米10年国債利回りは低下しました。しかし、その後は、北朝鮮問題がひとまず後退し、19日~20日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内追加利上げの可能性が改めて示唆されたことなどから、上昇基調を辿りました。

 

 

 

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【ポイント2】社債は堅調に推移

相対的に高い利回りが魅力

 

■一方、社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)は、投資適格債、ハイイールド債ともに縮小しました。北朝鮮問題がひとまず鎮静化したことなどを受けてリスク回避の動きが後退し、社債市場に資金が戻ってきたためです。

 

 

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【今後の展開】国債利回りは緩やかな上昇へ

 

■米国の景気・雇用は堅調に推移しており、米連邦準備制度理事会(FRB)は今後も利上げを継続する見通しです。さらに10月には、FRBはバランスシート(B/S)の縮小に着手します。

■もっとも、物価上昇率が低い水準で推移すると予想されることから、利上げやB/Sの縮小はゆっくりとしたペースで進められると予想されます。従って、長期金利の上昇も緩やかなものにとどまると考えられます。

■社債については、長期金利が低い水準で推移する限り、相対的に高いクーポン(利息)は引き続き魅力となります。米国内の投資家を中心に利回りと安定性を求めるニーズが強いことを勘案すると、社債への資金流入は今後も継続すると予想されます。

 

 

(2017年 10月 5日)

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