ブラジルの経済・市場動向(2017年9月)景気は緩やかな回復、株式、通貨は堅調推移

ブラジルの経済・市場動向(2017年9月)景気は緩やかな回復、株式、通貨は堅調推移

 

【ポイント1】GDPは2四半期連続プラス

前年同期比もプラス転換

 

■2017年4-6月期の実質GDP成長率は前期比+0.2%と、9四半期ぶりにプラスとなった1-3月期に続きプラス成長を確保しました。前年同期比でも+0.3%と、2014年1-3月期以来のプラス成長となりました。

■需要項目別では、家計消費が前期比+1.4%、前年同期比+0.7%と堅調でした。インフレ率の低下や勤続期間補償基金(FGTS)の引き出し開始が消費を押し上げたと見られます。

■GDPの約3分の2を占める消費が上向きに転じたことで、ブラジル経済は緩やかな回復が見込まれます。

 

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【ポイント2】インフレ率は低下傾向

中央銀行は利下げを継続

 

■インフレ率は低下傾向が続いています。8月の消費者物価は前年同月比+2.46%と、ブラジル中央銀行の物価目標レンジを下回っています。

■ブラジル中央銀行は、インフレ率が大きく低下するなか、16年10月以降利下げを続けています。9月の金融政策委員会では政策金利を8.25%に引き下げました。利下げ幅は累計で6%となり、力強さを欠くブラジル経済の回復を支えています。利下げはもうしばらく継続される見通しです。

 

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【今後の展開】株式、通貨は堅調推移

 

■ブラジルの金融・為替市場は、16年5月に発足したテメル政権の経済・財政改革と景気の改善期待を織り込む形で、16年以降堅調に推移してきました。足元でブラジル主要株式指数のボベスパは、9年ぶりの最高値を更新しました。通貨レアルも対ドルで底入れ後の戻り高値水準にあります。政治リスクはあるものの、景気回復や経済・財政改革の期待を背景に、今後もブラジルの株式や通貨は堅調地合いを維持しそうです。

 

 

(2017年 9月 22日)

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