『配当』利回りはスパイス?~『配当』⑤~

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株式に投資する際の視点の一つとして、企業の時価総額や売買代金といった規模に注目する方法があります。企業の規模の大きさによって、大型株、中型株、小型株などに分けられます。規模別株価指数に『配当』利回りの視点を加えると、興味深い特徴が浮かび上がります。今回は、『配当』に焦点を当てたレポートの第5回目で、『配当』利回りの運用成果への影響を見てみましょう。

【ポイント1】株式投資の視点として規模別指数に注目してみよう

規模別株価指数は時価総額や売買代金で区分されている

 

■東証株価指数(TOPIX)は東京証券取引所(東証)第一部に上場する株式で構成される株価指数です。このTOPIXを時価総額や売買代金といった規模の大小で区分したのが東証規模別株価指数です。ちなみに、日経平均株価は、東証第一部上場銘柄のうち市場を代表する225社の株価で計算される指数です。

■東証上場会社数は2,000社を超えます。TOPIXは全銘柄を対象に計算されますが、時価総額、売買代金の上位100銘柄で計算される指数がTOPIX 100(大型株指数)、次の400銘柄で計算される指数がTOPIX Mid400(中型株指数)です。小型株指数は、上位500銘柄を除いて計算されるTOPIXSmallです。その他、上位1000銘柄で計算されるTOPIX 1000などがあります。

 

【ポイント2】規模別株価指数と『配当』利回りの組み合わせ

『配当』利回りで生まれる運用成果の「向上」

 

■2008年9月から2017年8月までの累積リターンを見てみましょう。
『配当』利回りの高い銘柄に注目することで、大型株、中型株、
小型株ともに累積リターンが「向上」しています。

大型株:+039.5% うち高配当銘柄* +040.8%
中型株:+080.8% うち高配当銘柄* +118.5%
小型株:+155.4% うち高配当銘柄* +238.4%

(注1)大型株はTOPIX 100、中型株はTOPIX Mid400、小型株は
TOPIX 1000の下位500銘柄を対象としました。
(注2)「うち高配当銘柄」は各指数の配当利回り上位50%の銘柄で試算。
(出所)QUICKのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

 

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【今後の展開】『配当』利回りは引き続き重要な指標

 

■一般的に、規模の小さい企業は若い企業であることが多く、利益成長が総じて高いと見られます。成長が期待される企業であれば、株主は『配当』として利益を還元することよりも、設備投資など成長のための投資を進めてほしいと考えるでしょう。逆に成熟企業であれば、株主は適正な株主還元を要求すると思われます。今回見た規模別株価指数と『配当』利回りの関係では、中型、小型株の運用成果が大きく「向上」しており、こうした考え方だけではないことが示されました。『配当』利回りは、運用成果が若干良くなる程度のスパイスではなく、運用成果に結び付く重要な指標として、引き続き注目する必要がありそうです。

 

(2017年 9月 21日)

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