英国経済と通貨の動向(2017年9月)雇用は回復基調、年内にも利上げの可能性

英国経済と通貨の動向(2017年9月)雇用は回復基調、年内にも利上げの可能性

 

【ポイント1】雇用は堅調に回復

物価は5年ぶりの水準に上昇

 

■足元の英国景気は概ね好調です。景気の先行指標となる企業の購買担当者景況感指数は景気拡大を示す50超となっています。雇用環境も改善しており、7月の英国の失業率は4.3%と市場予想(ブルームバーグ集計)やイングランド銀行(BOE、イギリスの中央銀行)の事前予想を下回りました。これは40年ぶりの水準です。

■また、8月の消費者物価指数は前年同月比+2.9%と、市場予想の同+2.8%を上回り、5年ぶりの高水準となりました。食品価格が鈍化した一方、原油価格の上昇が影響したと考えられます。

 

 

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【ポイント2】金融政策は据え置き

経済動向はやや強いと指摘

 

■BOEは、14日の金融政策委員会(MPC)で金融政策(政策金利や量的緩和の規模)を据え置き、今後数カ月以内の利上げの可能性を示唆しました。

■BOEは、雇用が堅調なことなど、過去1カ月の経済の動きが予想よりもやや強いと指摘しています。賃金については、基調的な上昇率は弱めであるものの、回復のきざしがあると見ています。また物価についても、予想よりもやや高いとし、10月には3%を超えると見ています。

 

 

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【今後の展開】経済、通貨は底堅い動きが続く見込み

 

■BOEは、足元の英国景気に対して、前回のMPC開催時に比べてやや強気な見方を見せています。物価はBOEが目標とする2%を超えており、次回11月のMPC開催時にも利上げが発表される可能性があります。ただし、インフレ率が上昇し続けるとは想定されていないため、利上げが実施されても緩慢なペースで限定的なものにとどまると見られます。英国ポンドは、英国景気の回復や金融政策の正常化などにより、今後も堅調に推移すると見込まれます。

 

 

(2017年 9月 15日)

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