加速する『自動運転車』の開発競争

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自動運転技術を搭載した『自動運転車』は既に販売され普及が進みつつありますが、これまでは運転の主体が人(運転者)でした。ところが、ついに今年の7月11日に運転の主体が車となる一歩先の『自動運転車』が発表されました。一定の条件下ではありますが、この車ではハンドルや加速/減速等の操作が自動で行われます。今後、『自動運転車』の完全自動化へ向けた開発競争がますます加速して行くと見られます。

【ポイント1】レベル2の『自動運転車』は普及期に

運転の主体は依然として人

 

■『自動運転車』の自動化のレベルは、米国自動車技術者協会の定義ではレベル0~5に分類されます。レベル2までは運転の主体は人であるのに対して、レベル3では主体が車となり両者の間には大きな違いがあります。

■日本で普及が進む自動ブレ-キなどはレベル1に分類されます。2016年からはレベル2に分類される自動運転技術を搭載し、ハンドルや加速/減速を調整する量産車が発売され、普及期に入ったとみられます。ただし運転の主体は人であり、現状ではハンドルから手を放すことは禁止されています。

 

 

【ポイント2】レベル3に分類可能な車が登場

条件付きの自動運転

 

■7月11日に独アウディが運転支援の一歩先を行く世界初のレベル3(条件付きの自動運転)を実現する新型車を披露しました。

■時速制限など条件付きながら、走る、曲がる、止まるなどの基本動作を車が行います。ただし車の要請に応じ手動に切り替えるなどの対応は必要となります。またレベル3が法律で定められているのは現状ではドイツのみで、世界的な普及には法的な対応が必要となります。

 

 

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【今後の展開】課題はあるが『自動運転車』の開発は進む

 

■レベル3以上の『自動運転車』の普及には、法的な整備に加えて自動化に対するコストの引下げなどの課題を克服する必要があります。一方で、『自動運転車』の普及は交通事故の大幅減少、高齢者の移動対策、移動時間の有効活用などを通じて、生活に大きな変革をもたらす産業イベントになる可能性があります。

■ 自動車各社は、2021年頃には運転者の関与がほとんど不要なレベル4の『自動運転車』の投入を目指し開発を進めています。巨大市場となることが見込まれる『自動運転車』の開発にあたって、自動車各社と半導体、電子部品メーカーなど業種を超えた取り組みによる開発競争は加速しそうです。

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

(2017年 7月 25日)

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