インドの金融政策は据え置き、インフレ見通しを下方修正 経済は良好、改革は進展。資金流入が続こう
インドの金融政策は据え置き、インフレ見通しを下方修正
【ポイント1】政策金利を据え置き
市場の予想通り
■インド準備銀行(中央銀行、以下RBI)は6月7日の金融政策委員会で、市場の予想通り、政策金利(レポ金利)を6.25%に据え置きました。
【ポイント2】インフレ見通しを下方修正
金融政策スタンスは中立維持
■4月の消費者物価上昇率は前年同月比+3.0%と、食品価格の下落などから下振れ、16年11月以降6カ月連続で物価目標の+4.0%を下回っています。RBIは、インフレ率の見通しを下方修正しました。2017/18 年度前半を4 月時点の+4.5%から+2.0~+3.5%とし、年度後半は+5.0%から+3.5~+4.5%へ引き下げました。
■声明文の内容や、会合後の記者会見でのパテル総裁らの発言によると、前回(4月)よりもRBIのインフレ警戒姿勢はやや弱まったと見られます。
■ただし、RBIは、原材料や賃金、輸入コストなどインフレの動向を見極める必要があるとし、金融政策スタンスについて中立姿勢を維持するとしました。
■RBIの金融政策据え置きを受けた7日の市場は、インドルピー、株式、債券市場とも堅調な動きでした。
【今後の展開】インドへの資金流入が続く見込み
■インド経済は、高成長の持続が見込まれています。RBIによれば、経済成長率を表す粗付加価値(GVA)成長率は2016/17年度の+6.6%から、2017/18年度は+7.3%へ加速する見通しです。
■良好な経済、インフレ環境に加え、7月に導入予定の物品サービス税(GST)の税率が固まるなど、経済改革が着実に進んでいることが評価され、インドの株式市場や通貨ルピーは堅調に推移しています。今後もインドへの資金流入は続きそうです。
(2017年 6月 8日)
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