「NT倍率」で日本株を占う(日本)

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「NT倍率」は日経平均株価(日経平均)を東証株価指数(TOPIX)で割って算出した指標です。「NT倍率」は株式市場の方向性、過熱感、業種・銘柄の物色動向の分析、今後の株式市場を予想する際の参考にもなります。「NT倍率」が変動するのは日経平均とTOPIXの算出基準の違いによります。 「NT倍率」 は10~12倍で推移することが多く、6月5日時点は12.52倍と高水準にあります。

【ポイント1】日経平均は単純平均指数、TOPIXは時価総額加重指数

 

■日経平均は、市況変動以外の価格変動を調整し連続性を維持した上で、225銘柄の株価を合計して算出される“単純平均型” 指数です。

■TOPIXは、東証市場第一部全体の時価総額を基準として、現在の東証市場第一部全体の時価総額の増減を指数化した “時価総額加重型” 指数です。

 

【ポイント2】「NT倍率」は相場状況や方向性を示唆

 

■日経平均は① “単純平均型” で株価の高い値がさ上位4銘柄の構成比が約20%を占め、変動が大きい、②上昇局面では、日経平均先物に買いが入りやすく、割高になった先物を売って現物株を買う裁定買により上昇しやすい(下落時は反対)、③構成比率の高い値がさ株は景気、為替の影響を受けやすいなどの特徴があります。一方TOPIXは相対的に変動が小さく、大手銀行株や内需関連株の構成ウエイトが高いという特徴があります。

■「NT倍率」は株価の上昇局面や円安、景気回復局面で上昇する傾向があります。ただし、急拡大時は、過熱→株価下落へのシグナルとなることがあります。インデックスへ投資する際に、日経平均、TOPIXのどちらを選択するかは「NT倍率」 の分析がポイントになります。

 

 

 

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【今後の展開】「NT倍率」は上昇が継続する見込みも過熱時には注意

 

■「NT倍率」 は2009年9月15日のリ-マン・ショック後の株価回復とともに上昇が継続しています。景気回復に伴い景気敏感株が上昇する一方、低金利により相対的に金融株の上昇が小さかったことなどによります。

■緩やかな景気回復による株価と景気敏感株の上昇により「NT倍率」の上昇は続くとみられますが、裁定買残が急増して、「NT倍率」 が急拡大する場面では警戒も必要とみられます。

 

(2017年 6月 8日)

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