堅調に推移する米国の「住宅市場」(米国)

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米国の住宅投資がGDPに占める割合は4%弱に過ぎませんが、木材、セメント、鉄鋼、化学といった素材はもとより自動車や家電といった耐久消費財まで幅広い産業に対して大きな影響を及ぼします。住宅を購入すると、家具・家電製品や自動車などを新しく買い替える傾向があるからです。その住宅需要は緩和的な金融環境や雇用の改善などを背景に、2010年の半ば頃から拡大を続けています。

【ポイント1】「住宅市場」は拡大基調を維持

4月の中古住宅販売の前月比減は季節要因による一時的なもの

 

■2017年4月の「住宅市場」は、販売件数が年率614万件、前年同月比+0.7%となりました。前月比は▲3.2%ですが、1~3月の販売が温暖な天候の影響で上振れた反動と考えられます。

■販売の内訳をみると、中古住宅が同557万件、前年同月比+1.6%、新築住宅が57万件、同+0.5%でした。

■一方、4月の新築住宅着工件数は年率117万件、前年同月比+0.7%、うち一戸建てが84万件、同+8.9%でした。

 

【ポイント2】引き締まる住宅の需給

住宅価格の上昇が続く見通し

 

■4月末の住宅在庫を見ると、主力の一戸建て中古住宅は171万件、期末在庫が何カ月分の販売件数に相当するかを示す在庫率はわずか4.1カ月と、83年以降の平均である6.9カ月を下回っています。

■在庫率と住宅価格との間には、在庫率が低下すると、半年後の価格上昇率が高まるという関係があります。在庫率は現在低い水準にあることから、住宅価格は当面のところ上昇を続ける可能性が高いと考えられます。

 

 

 

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【今後の展開】住宅市場の活況は個人消費の下支えとなる見通し

 

■住宅価格の上昇は、家計の正味資産(総資産から負債を差し引いたもの)を増加させ、購買余力を高めます。雇用・所得環境が良好なことと考え合わせると、家計の消費は今後も拡大を続けると予想されます。

■米国の利上げは、今後も続く見込みです。もっとも、インフレ率が低い水準にとどまっていることなどから、今後の利上げ速度は緩慢と予想されます。住宅市場は金利の動きに反応する傾向がありますが、住宅需要が大きく落ち込むことはなさそうです。

 

(2017年 6月 1日)

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