米国債券市場の動向(2017年5月)長期金利は緩慢な上昇へ、社債への資金流入が続こう

米国債券市場の動向(2017年5月)長期金利は緩慢な上昇へ、社債への資金流入が続こう

 

【ポイント1】国債利回りは小動き

政治的な不透明感が浮上

 

■2017 年5 月26 日の米国10 年国債利回りは2.25%となり、4月末比▲0.03ポイントとなりました。

■5月の米10年国債利回りは上昇して始まりました。2日~3日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文が早ければ6月にも利上げに踏み切る可能性を示唆したためです。

■しかし、下旬になると、トランプ政権によるロシアへの機密漏えい疑惑が浮上し、公共投資の拡大など同政権が唱える経済政策の先行きに不透明感が強まったため、債券利回りは低下しました。

 

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【ポイント2】社債は堅調に推移

国債との利回り格差は縮小傾向

 

■一方、社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)は縮小が続きました。トランプ政権によるロシアへの機密漏えい疑惑などあったものの、堅調な景気・企業収益の拡大に加え、物価上昇率の低位安定等から、社債への買い意欲が続きました。

■発行市場も活況を呈しています。米証券業金融市場協会(SIFMA)の統計によれば、 17年1~3月期の社債発行額は4,687億ドル、前年同期比
+17.9%となりました。

 

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【今後の展開】国債利回りは緩やかな上昇へ

 

■早ければ6月13日、14日に開催される次回FOMCで利上げが実施されると見られ、その後も利上げは続く見通しですが、インフレ率が落ち着いて推移すると予想されるため、利上げペースは緩やかとなり、長期金利の上昇も緩慢なものとなりそうです。

■社債については、利上げのペースが緩やかなものにとどまり、長期金利が低い水準で推移する限り、高いクーポン(利息)の魅力は続きます。従って、社債への資金流入は、今後も継続すると予想されます。
(2017年 5月30日)

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