最近の英国経済・市場動向(2017年5月) 堅調な景気、ポンドの上昇は続くか?

最近の英国経済・市場動向(2017年5月) 堅調な景気、ポンドの上昇は続くか?

【ポイント1】依然堅調な経済成長

 

■英国は昨年6月の国民投票でEU(欧州連合)離脱(Brexit)を選択し、その影響で景気の減速が懸念されていましたが、これまでのところ堅調な経済成長が続いています。

■4月28日に発表された2017年1-3月期の実質GDP成長率は前期比で+0.3%と、10-12月期の+0.7%から減速しました。Brexit選択後のポンド安によってインフレが進み、実質所得の伸びが鈍化した影響とみられます。ただし、前年比では+2.1%としっかりとした伸びを見せました。

 

 

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【ポイント2】今後も底堅い成長継続へ

 

■イングランド銀行(BOE、イギリスの中央銀行)は、11日の金融政策委員会で金融政策(政策金利や量的緩和の規模)を据え置きました。今後、ポンド安の影響が薄れるにつれ、インフレが落ち着くと見られるためです。

■最新の経済成長見通しによると、BOE は、2017年は前年比+1.9%、2018年、2019年は同+1.7%と底堅い成長が続くと見込んでいます。

 

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【今後の展開】今後のEUとの交渉に注目

 

■ポンドはBrexitへの懸念により2016年前半は下落傾向にありました。2016年10月以降は、対円では円安が進んだことや、今年6月に行われることとなった総選挙での与党保守党の勝利への期待を反映する形で上昇に転じています。

■今後は、総選挙の結果や、EUとの交渉の影響を受けると見られます。EU側の厳しい交渉姿勢が報じられていますが、実際の交渉が多少なりともスムーズなものとなれば、ポンド上昇の要因となる可能性があります。

 

(2017年 5月 12日)

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