鉄鉱石・石炭の価格動向 中国経済の成長に支えられ、底堅く推移しよう

鉄鉱石・石炭の価格動向 中国経済の成長に支えられ、底堅く推移しよう

【ポイント1】石炭価格は上昇

 

鉄鉱石価格は軟調

■石炭は、鉄鋼用原材料としてのコークス製造などに利用される原料炭で見て、16年2月初旬の1トン当たり約75ドルから16年11月の同300ドル台まで上昇しました。その後、同150ドルまでの下げを経て、17年4月中旬に同300ドル台に乗せました。

■これに対して、鉄鋼の主原料となる鉄鉱石の価格は、2016年10月初旬の1トン当たり約55ドルから17年2月下旬の同95ドル弱まで上昇しましたが、これを当面のピークとして下げに転じ、足元では60ドル台で推移しています。

 

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【ポイント2】石炭は中国での需給が好転

環境保護のための生産抑制が寄与

■原料炭の価格急騰は、①最大の需要国である中国が、環境保護のため石炭の生産を抑制していることに加え、経済制裁の一環として北朝鮮からの石炭輸入を停止した、②17年3月下旬に主要生産地である豪州北東部がサイクロン(熱帯低気圧)に見舞われた、などが影響していると考えられます。

■他方、鉄鉱石価格の下落は、中国での港湾在庫の積み上がりによるものです。16年後半の価格上昇への緊急対応策として中国が輸入を増やした結果、一時的に供給過剰に陥ったもようです。

 

 

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【今後の展開】今後も底堅い展開となろう

■石炭価格については、目先は急騰の反動も予想されますが、中国経済が順調な拡大軌道にあるため、概ね底堅く推移しそうです。中期的には、石炭から石油、天然ガス、再生可能エネルギーへのシフトを推進する中国政府の動向が注目されます。

■鉄鉱石は、今後、輸入数量が平常のペースに戻ると見られ、需給も改善に向かうと予想されます。つれて、価格の下落にも歯止めがかかる見込みです。

(2017年 4月 19日)

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