「ベージュブック」、景気は緩やかに拡大(米国)

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「ベージュブック」は、米国に12ある地区連邦準備銀行(地区連銀)が、管轄地域の経済状況をまとめた「地区連銀経済報告」のことです。表紙のベージュ色が名前の由来であり、経済情勢についての総合判断、主要産業の動向や雇用・物価動向などがまとめられています。「ベージュブック」は、年に8回開催される連邦公開市場委員会(FOMC)の2週間前の水曜日に公表され、金融政策の判断材料として用いられます。

【ポイント1】経済活動への評価は、「緩やかなペースで拡大」

前回1月の評価に比べ僅かに前進

■3月1日に公表された最新の「ベージュブック」は、「1月初旬から2月中旬にかけて、経済活動は“緩やか、ないし緩慢”なペースで拡大」と総括しました。1月18日に発表された前回報告の「ほとんどの地区が引き続き“緩慢”なペースで拡大」に比べ、評価は僅かに前進したと判断されます。

【ポイント2】消費関連、製造業、建設は拡大基調を維持

労働需給は引き続きタイト

■各論を見ると、まず個人消費については、「緩慢な拡大」との評価でした。前回と同様、店舗での購入からインターネットを通じた購入にシフトしているとの指摘が散見されました。自動車販売や旅行・レジャーは、大半の地区から販売増との報告がありました。

■製造業の活動は幾らか加速しましたが、ほとんどの地区が拡大のペースは緩やかと評価しました。一方、住宅建設、商業用不動産は緩慢な拡大、住宅価格は多くの地区で底堅く推移しています。

■労働市場については、需給の逼迫と穏やかな賃金上昇が報告されました。なかでもITなど高度技術を有する人材のほか、建設、娯楽といった業種での労働力不足が指摘されました。

 

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【今後の展開】緩やかな景気拡大が継続する見通し

■3月のFOMCで利上げの公算

今回の「ベージュブック」は、景気拡大と労働需給タイト化の継続を示唆する内容でした。最近のFOMCメンバーのタカ派的な発言と考え合わせると、3月14日、15日に開催される次回FOMCで、政策金利が引き上げられる可能性は高まったと判断されます。

■株価は業績の伸びに沿った動きになろう

米国の経済は拡大局面にあります。利上げは継続される見通しですが、物価の安定や景気への配慮等から利上げのペースは緩慢と考えられます。今後、国債利回りは落ち着いた推移、株価は景気、業績の拡大ペースに沿った動きになると予想されます。

(2017年 3月 6日)

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