「街角景気」は米新政権へ懸念の声(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。毎年12月調査の公表時に、季節調整値の改訂が行われます。

【ポイント1】現状判断DIは予想外に低下

大雪や寒波など天候不良が悪影響となった

■1月の「景気ウォッチャー調査」では、「街角景気」の実感を示す「現状判断DI(季節調整値)」が前月比▲1.6ポイントの49.8ポイントとなりました。改善を見込んでいた市場予想(51.8、ブルームバーグ集計)に反し、7カ月ぶりの低下となりました。50ポイントを割り込むのは2016年10月以来のことです。項目別では、小売関連(前月比+0.2ポイント)を除く、全ての項目で指数が低下しました。

■街角の声には、「今月は2週にわたる寒波襲来でキャンセルが多発し、予想した宿泊客数を大きく下回っている」(中国・都市型ホテル)や、「大雪の影響もあり来客数は減少している。雪の日以外の来客数には変動はない」(東海・スーパー)など、大雪や寒波などの天候不良による悪影響を指摘する声が目立ちました。

【ポイント2】先行き判断DIは2カ月連続の低下

トランプ新政権の先行き不透明感を懸念

■2~3カ月先の景気を聞いた「先行き判断DI(季節調整値)」は、同▲1.5ポイントの49.4ポイントと2カ月連続で低下しました。

■街角の声には、「米国を始め世界情勢に変化が表れ始め、経済的にも不安要素が多く、自動車業界にも大きな影響がある」(東海・乗用車販売店)や、「米国の新大統領就任による影響で、設備投資の先行きは不透明感が高まっている。先行きの予想は不可能である」(北陸・建設業)など、トランプ米大統領の政策の先行き不透明感を懸念する声が幅広く聞かれました。

 

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【今後の展開】足元の悪化は景気減速とまで見られず、米新政権の行方次第

■現状判断DIの低下を受け内閣府は「持ち直しが続いているものの、一服感が見られる。」と、先月の「持ち直している。」から景気の基調判断を下方修正しました。足元の景況感悪化は天候要因によるもので景気の減速とまでは見られません。先行きはトランプ政権の政策次第と見られます。週末の日米首脳会談は波乱なく終わりましたが、日米新経済対話など今後の政策動向が注目されます。

(2017年 2月13日)

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