再び低下した「オフィスビル空室率」(日本)

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「オフィスビル空室率」は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しています。空室率のほか、オフィスビルの平均賃料や棟数なども公表されており、オフィスビル市場を見る上で有益です。札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡の7つのビジネス地区について、新築、既存ビルに分けられたデータとなっています。

【ポイント1】12月の都心5区の空室率は3.61%

賃料は都心5区全てで上昇し、前月比+0.35%と36カ月連続の上昇

■1月12日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の12月の「オフィスビル空室率」は、前月比▲0.14ポイントの3.61%となりました。空室率は11月に前月から小幅に上昇しましたが、12月に再び低下に転じ、2008年以来の低水準を更新しました。

■また、12月の都心5区の平均賃料は、坪当たり18,540円でした。前年同月比+4.79%、前月比+0.35%と、36カ月連続の上昇となっています。12月は5区全ての平均賃料が前月比で上昇しました。

【ポイント2】満室稼働率は上昇

空室在庫の品薄感が強まる

■今回は、都心5区の主要貸事務所ビル2,586棟の稼働状況も発表され、2016年12月時点では前年比+2.48ポイントの72.74%のビルが満室稼働となりました。また、空室面積は2012年以降減少傾向となっていますが、2016年12月は前年比での減少幅が、それまでに比べて小幅にとどまりました。

■都心5区のオフィスビル市場では大型の解約が少なくなってきており、空室在庫の品薄感が強まっています。

 

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【今後の展開】2017年は新規供給量が減少し、賃料上昇も続く見込み

■空室率が低水準なうえ、2017年の新規のオフィスビルの供給が減少する見込みであることから、大型の空室はさらに品薄感が強まりそうです。一方、テナントのコスト意識も依然として高く、募集賃料の値上げの動きは一部で停滞しながらも、今後も平均賃料は小幅な上昇が続くと見込まれます。

■こうした空室率の低下や賃料の上昇は、オフィスビルに特化したものが多い日本のリート市場には追い風と見られます。また、米国では先月利上げが実施され、今後も利上げが見込まれますが、日本では当面金融緩和が続く見込みであることも、日本のリート市場にとってはプラスと考えられます。

(2017年 1月 13日)

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