2016年の振り返り(グローバルリート)16年は前半好調、8月以降調整:年間リターンは5.8%
2016年の振り返り(グローバルリート)16年は前半好調、8月以降調整:年間リターンは5.8%
【ポイント1】8月以降調整局面入り
年前半は欧州を除き、堅調
■2016年のグローバルリート市場を現地通貨ベースで振り返ると、年前半は、英国のEU離脱選択(Brexit)が懸念された欧州以外の地域は、低金利環境の下で堅調な推移となりました。しかし、8月以降は、米金融当局者の発言を受けて米利上げが意識され、米長期金利が上昇に転じたことで、リート市場は調整局面を迎えました。さらに、11⽉8⽇の⽶⼤統領選挙を受けて、トランプ次期米大統領が掲げる積極的な財政政策がインフレにつながるとの観測を背景に、⽶⻑期⾦利の上昇が加速しました。各国・地域の⻑期⾦利もつれて上昇し、世界のリート市場は軟調な展開となりました。
【ポイント2】足元では底入れの動き
年初来騰落率はしっかり
■足元のグローバルリート市場は、11月後半から反発の動きを見せています。価格下落によりリートのバリュエーションが改善したことで、見直し買いが入ったと見られます。年初来の騰落率は、全体で9.6%(現地通貨ベース)、5.8%(円ベース)と、まずまずのパフォーマンスとなっています(12月23日時点)。
【今後の展開】長期金利の落ち着きによるリートの見直しに期待
■グローバルリート市場は、米国を中心とした長期金利の上昇が逆風となっています。ただし、⽶国の物価が落ち着いた状況で推移すると⾒込まれることから、⽶連邦準備制度理事会( FRB )の利上げペースは緩やかなものとなり、⽶長期⾦利の上昇ペースは徐々に鈍化すると見られます。今後は、⽶長期⾦利の落ち着きが確認されるにつれ、不動産市況の好調を背景とした利益成長期待や相対的な分配金利回りの⾼さから、グローバルリートに対し改めて注⽬が集まるものと期待されます。
(2016年12月28日)
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