「年末年始の旅行」の費用は減少(日本)

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大手旅行会社では、毎年アンケート調査に基づいて、年末年始の旅行動向について発表しています。その時々の景気動向が反映され、消費や景気を読み解く参考にもなります。なかでもJTBの調査は、航空会社の予約状況、JTBの販売動向なども加えた推計で、1969年の調査開始以来、今年で48回目となっています。今年の調査は、11月2日~14日に、全国15歳以上79歳未満の1,200名を対象に行われました。

【ポイント1】年末年始の総旅行者数は前年比▲2.1%

国内旅行者数の減少の一方、海外旅行者数は3年ぶりに増加の見込み

■大手旅行会社JTBが発表した調査によると、12月23日~1月3日までの間に出発する旅行者の数は、前年比▲2.1%の2,994万6千人と、過去最高を記録した昨年から減少する見込みです。国内旅行者数が同▲2.2%の2,930万人と減少が見込まれることが全体に影響した一方、海外旅行者数は同+3.3%の64万6千人と3年ぶりに増加すると見込まれています。

■今年4月~来年1月末にかけては燃油サーチャージが0円となっていることや、足元では急速に円安が進んだものの、昨年同時期と比べると円高となっていることが、海外旅行者数の増加につながっていると見られます。

 

【ポイント2】旅行費用の減少が顕著

調査期間中の先行き不透明感が影響か

■今年は旅行費用の減少が顕著です。旅行平均費用は国内が前年比▲9.6%の3万900円、海外が同▲4.7%の20万7千円となっています。このため、総旅行消費額は同▲10.4%の1兆391億円と大幅な減少となりそうです。

■調査期間中には、米大統領選挙がありました。トランプ次期大統領の選出を受けて、足元では株高傾向となっていますが、調査時には今後の情勢に不透明感があったことや、10月の日銀短観では企業景況感が横ばいにとどまったように、旅行を始め消費の姿勢も慎重なものとなったと考えられます。

 

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【今後の展開】年末年始は、近場や家でゆっくりと

■今回の調査期間には、消費を引き締める材料が見られましたが、足元ではトランプ次期政権への落ち着いた見方も多くなり、国内では景気ウォッチャー調査などで消費者心理が改善しています。今年は日並びの影響から長期の休暇となる人は例年より少ないかもしれませんが、近場旅行や家でゆっくり過ごす人が多くなりそうです。クリスマスや年末年始の行事など、心を温かくするイベントが人々を活気付けてくれそうです。

(2016年12月19日)

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