改善が続く日本の「雇用環境」(日本)

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「雇用環境」は、総務省が毎月発表する労働力調査や、厚生労働省が毎月発表する一般職業紹介状況などで把握することができます。なかでも労働力調査の中の完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)や、一般職業紹介の中の有効求人倍率(公共の職業安定所における求職者1人に対し、企業から何件の求人があるか)などが注目されます。「雇用環境」は、バブル期以来の良好な状況となっています。

【ポイント1】「雇用環境」は堅調

完全失業率は3.0%、有効求人倍率は1.40倍

■29日に発表された労働力調査によると、10月の完全失業率(季節調整値)は前月比横ばいの3.0%と、1995年8月以来の低水準を維持しています。完全失業者数(季節調整値)は前月比▲5万人の197万人となり、1995年2月の198万人以来の200万人割れとなりました。

■29日に発表された一般職業紹介状況によると、10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比+0.02ポイントの1.40倍と、バブル期の1.46倍に迫り、1991年8月以来の高水準となりました。また、労働市場の先行きを示す新規求人倍率(季節調整値)は、前月比+0.02ポイントの2.11倍となりました。

 

【ポイント2】正社員の数・割合が増加

ただし、正社員の有効求人倍率は1倍割れ

■労働力調査の雇用形態別(原数値)を見ると、正規(正社員)の数は前年同月比+2.2%、非正規(非正規社員)の数は同+1.6%と、ともに増加しています。雇用者(役員を除く)に占める正社員の割合は62.7%と同+0.2ポイントとなり、正社員は数・割合ともに増えています。

■一方、有効求人倍率の雇用形態別(原数値)を見ると、常用的パートタイムの1.48倍に対し、正社員は0.92倍と依然として1倍を割れています。

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【今後の展開】多様な働き方から労働力の一層の活用へ

■全体として「雇用環境」の堅調さが続くなか、最近では働き方改革といった、雇用形態についての議論が進んでいます。非正規社員の求人倍率は、正社員を大きく上回っており、非正規社員は引く手あまたですが、正社員と非正規社員との間の待遇に格差が大きい場合も多く、非正規社員であることによって将来の見通しがつきにくく不安を抱え、消費などが前向きにならない場合があります。多様な働き方を容認しながらも、職務や能力が適正に評価されることで、労働力の活用や消費の促進に繋がることが期待されます。

(2016年11月30日)

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